大型トラックADAS機能を体験、AMT、緊急ブレーキ、前車追従など … – レスポンス



25日、三菱ふそう 喜連川研究所(栃木県)にて、2月に発表された新型『スーパーグレート』の試作実験車両による試乗走行会が開催された。新型スーパーグレートの正式な発売時期は発表されていないが、すでに400台ほどの事前注文もあり、5月ごろでは、と言われている。車両開発はほぼ最終段階ということだが、試乗に用意されたのは、製品の走行試験に実際に使っている10台の試作車両だ。そのため、内装は最終製品の仕様ではなく、一部は測定機器なども搭載されていた。外装もキャブ部に偽装が施されていた。

新型の大きな特徴は、エンジンの騒音低減による快適性の向上。エンジン軽量化とワイドシングルタイヤ、空力改善などによる燃費向上。そして、新型からトランスミッションを全車種AMT化することで、ADAS機能が大幅に追加されたことだ。

ESP、レーン逸脱検知、ミリ波レーダーによる緊急ブレーキの制御速度域の拡大(0km/hから作動)、左側面のミリ波レーダーによる障害物検知(左前、後ろの2基のレーダー)、前車追従、自動停止・発進が可能なオートクルーズ(プロキシミティ・コントロール・アシスト)の他、GPSと独自の3D地図情報によるパワートレインの予測制御(勾配やカーブの具合いを予測したアクセル、ブレーキ、シフトの制御)、車内赤外線カメラによるドライバーの集中力低下検知(アクティブ・アテンション・アシスト)、坂道発進をアシストする機能(ヒルホルダー/EZGO)など、高級乗用車が装備するADAS技術がほぼ搭載されたといってよい。

事前試乗走行会では、これらのうち、AMTの操作性や各種ADAS機能のデモ、試乗体験が行われた。

45km/hで停止成功
まず、緊急ブレーキ(ABA4)の試験デモだ。新型スーパーグレートは、フロントに装着されたミリ波レーダーによって前方の障害物を検知し、3段階でブレーキをかけるようになっている。障害物を検知し、このままいくと衝突の可能性がある場合、まず警告音とメータパネルのランプによって危険を知らせる。次に半分の力で制動をかけ、それでもドライバーの操作がなければ強制ブレーキで停止させる。

緊急ブレーキとプロキシミティ・コントロール・アシストは、カメラを使わず、ミリ波レーダーのみ障害物を検知している。それでも、クルマだけでなく、歩行者、バイクなども検知対象としている。カメラを利用しないのは、昼夜、天候などで使えなくなるのを避けるため。

デモは、45km/hでダミーの車両に突っ込んで、ぶつからずに停止できるかどうかをテストした。最近では軽自動車にも搭載される衝突回避ブレーキだが、大型車の場合、単純に重量の問題でアシスト機構の作り込み、制御が難しいとされる。テストは空荷ではなく、車両総重量が20トンになるようにして行われたが、ダミーに衝突することなく実験は成功した。

プロキシミティ・コントロール・アシストは、乗用車でいえばアダプティブクルーズコントロールなどと呼ばれているものだ。高速道路の速度域以外、全車速で制御を有効にしているので、前方車両がクルーズコントロールの設定速度より遅くなって、停止しても、つまり前方が渋滞しても、前車に合わせて停止してくれる。2秒以内に前車が発進すれば、アクセル操作などしなくても自動的に発進させてくれる。

デモは30km/h前後で、先行する乗用車の追従試験を行った。アクセル、ブレーキ操作をしなくても、先行車にあわせて速度調整と停止、発進が自動化されていたが、スピードコントロールは自然で、緊急ブレーキのような強制介入の感じはほとんどない。

乗用車でいうところのアダプティブクルーズコントロールのデモ
アクティブ・サイドガード・アシストは、左側面のミリ波レーダーによる左側の巻き込み防止、接触防止のためのワーニング機能だ。自動ブレーキの制御はないが、助手席側のAピラーに取り付けられた(試作車なので市販車両の仕様は変更されるかもしれない)バスの降車ボタンのようなランプが光と音で、左側の障害物(バイク・車両)の存在を知らせてくれる。

乗用車の場合、サイドミラーに表示される近接センサーに相当するものだ。左側だけなのは、トラックの場合、左側の事故が非常に多いためと、架装の自由度をあまり制限しないようにとのことだ。

走行中、乗用車が左側に接近してくると、無音でピラーのランプが黄色く光る。この状態でウィンカーを左に出すと、衝突、巻き込みの可能性あるとしてランプが赤に変わり警告音が鳴る。ブレーキ介入がないので、そのまま左に寄ると事故になってしまうが、ミラーの見落とし防止に有効だ。通常走行でも、追い越し終了後に左車線に戻るタイミングとして黄色ランプの消灯を利用できる。

サイドガード・アシストの左側面ミリ波レーダー
「ヒルホルダー」は、上り勾配で減速していくと微妙なクリープによって停止状態を維持してくれる機能だ。従来から「EZGO」機能によって、ブレーキで停止すると自動的にブレーキがホールドされ、坂道発進をアシストしてくれていたが、ヒルホルダー(クリープの制御)により微妙な動きも可能だ。

このようなクリープ制御は、12段変速のAMT「ShiftPilot」の新しい制御機能のひとつだが、微速の前進・後進にも使える。プラットフォーム付けなどの細かい操作がかなり楽になる。

AMT ShiftPilotでは、半クラッチによるクリープ制御以外にも排気ブレーキと連動した減速シフト、燃費や効率を考えた最適なシフトチェンジ、回転や速度に応じた飛びギアチェンジ、惰性を利用した燃費走行(Ecoroll)といった制御も自動化されている。パドルシフトによるマニュアルモードもあるが、シフトアップタイミングをずらしたパワーモードもある。

試乗によるAMTの感想は、上り坂での自動シフトチェンジが若干違和感があった(ギアホールドしたくなった)が、それ以外は非常にスムースな変速制御だった。類似の自動トランスミッションより変速ショックは少ない。



三菱ふそうではこれらの技術によって、女性ドライバーや経験の浅いドライバーに安全で運転しやすくすることで、人手不足が叫ばれるトラック業界を支援できればという。

開発に実際に使用されている試作車


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