蒙朝間の伝統的な外交実績に自負心 – 東洋経済日報



◆蒙朝間の伝統的な外交実績に自負心◆

 北朝鮮の情勢分析方法と問題解決方法を日米以外の視点から考察する。まずは、筆者が、9月15日~18日に寺島実郎・多摩大学学長をはじめとする研究者や経営者など23名でモンゴルを訪問し、同国外務省幹部・政治家・研究者などと議論する機会を得たのでモンゴルの視点から北朝鮮を分析する。

 前号では、モンゴルと北朝鮮が国交正常化した1948年~2000年までの外交成果を紹介した。今号は、2000年以降の蒙朝関係を分析し、モンゴルの北朝鮮との向き合い方や北朝鮮問題に対する考え方からその解決方法を探る。

 モンゴルは、2000年以降、3人の大統領、3人の首相、3人の外務大臣が、北朝鮮を訪問した。主な目的は、韓半島の統一に協力するという意思を伝えるためである。しかし、北朝鮮のリーダーである金正日総書記や金正恩党委員長とは、誰も会えなかった。それどころか70万㌦を支払えば会わせると約束し、現金を支払ったのにも関わらず、騙され会えなかったという。

 モンゴルと北朝鮮が、70年間かけて外交実績を積み上げると共に友好関係を築き上げ、厚い信頼関係を結ぶことができた秘訣は、当然、両国の外交努力があったからである。

 しかしながらより本質的に分析するならばその秘訣は、モンゴルの北東アジア観や平和観などから見出すことができる。以下の4つの事例を紹介する。

 ①モンゴルは、とりわけ過去20年間、毎年のように北朝鮮の政治家や研究者をモンゴルに招待し、モンゴルが主催する国際会議に参加させている。

 例えば首都ウランバートル市主催の北アジア降雪諸都市長会議にピョンヤン市長が出席した。2017年は、すでに北朝鮮の研究者を3回にわたり招いて国際会議を開催しており、そこで日本や米国の関係者との交流機会も提供した。

 ②エルベグドルジ前大統領(任期2009年6月~2017年7月)は、北朝鮮外交で大きな成果を得ただけでなく、日朝関係改善にも貢献した。代表的な成果は、ウランバートル市で北朝鮮と日本の非公開会談の開催に成功したことである。

 モンゴルでの日朝会談は、2回にも及び、北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの娘と祖父母を会わせることにも成功した。

 ③モンゴルは、2000人の北朝鮮労働者を受け入れることによって民間交流も活発に行っている。両国間で締結された契約では、北朝鮮から最高で1万人の労働者を受け入れることが定められている。

 しかしながら現在は、北朝鮮労働者の受け入れが思うように増えない。主な理由は、建築作業と道路建設の労働者を求めているのに、教師や軍事将校などが派遣されるからである。いわゆる職業・仕事のミスマッチである。

 中には、肺結核などの病人が派遣されたためモンゴルで死亡する問題も数回あった。それでも北朝鮮労働者を受け入れる理由は、北朝鮮労働者とモンゴル国民との民間ベースの触れ合いや交流などによってモンゴル人の北朝鮮観を良くするためである。

 ④モンゴルは、北朝鮮がモンゴルで数々の事件を起こすにも関わらず、北東アジアの繁栄と平和に貢献するという使命感と志を持って北朝鮮と向き合っている。北朝鮮が起こした事件とは、北朝鮮外交官が2001年に偽造紙幣100㌦をモンゴルで使用、北朝鮮のミサイル発射を監視する設備をモンゴルで使用、モンゴル軍幹部に贈賄する方法で戦闘機のエンジンを密輸出、北朝鮮政府による北朝鮮労働者の給与ピンハネに伴うモンゴル労働法違反などである。

 モンゴルの対北朝鮮外交政策は、以下の通りである。モンゴルは、



つづきは本紙へ


こんな記事もよく読まれています



コメントを残す