「腐ったガキども」東京地検特捜部の捜査手口を暴露…オリンパス事件指南役が無罪主張 – ニコニコニュース



「ロイター/アフロ」より
Business Journal

 2月に出版された『野村證券 第2事業法人部』(講談社)は、オリンパス事件で実刑判決(上告中)を受けた横尾宣政氏が書き下ろした新刊書である。同書は、次の書き出しで始まる。

 「『オリンパスの第三者委員会の報告書には、お前が損失隠しをやったと書いてある。第三者委員会のメンバーは元判事など一流のプロだ。その人たちが名指しで、お前が関与したと言っている。あの報告書に名前が出ていなければ、私はここまでも言わないし、疑いもしない』

 2011年12月、東京・日比谷の法務省・検察庁合同庁舎8階。私は東京地検特捜部の任意の事情聴取を受けていた。初冬の寒さにもかかわらず、部屋には暖房さえ入っていない。そんな中で検事はコートを着ることも許さず、容赦なく私を責め立ててきた」

 横尾氏は1954年、兵庫県生まれ。78年に京都大学経済学部を卒業し、「株にはまったく興味がなかった」にもかかわらず、父の勧めで野村證券に入社。金沢支店を皮切りに第2事業法人部、営業業務部運用課長、高崎支店長、新宿野村ビル支店長などを歴任した。

 同書は、勢いがあった野村證券のなかでも、ツワモノたちが揃っていた第2事業法人部の猛烈な仕事ぶりを綴っている。

 「当時の野村は『ノルマ証券』と揶揄されたように、コミッションのノルマが厳しい会社として知られ、その中でも私は上司から“コミッション亡者”と恐れられるなど、徹底してコミッションを追求した」

 横尾氏は98年に野村證券を退社し、コンサルティング会社グローバルカンパニーを設立した。その後、2011年に発覚したオリンパスの巨額粉飾決算事件の「指南役」として逮捕・起訴された。

●オリンパス事件での無罪を主張

 同書は、後半の3分の1をオリンパス事件に割いている。オリンパス事件とは、精密機器メーカーのオリンパスが1990年代の財テクの失敗で抱えた1000億円弱の損失を、企業買収を利用して捻出した資金で穴埋めし、経理上は純資産の水増し計上で不正処理した事件のことである。

 買収資金の不透明さを指摘した英国人のマイケル・ウッドフォード社長(当時)の解任騒動をきっかけに発覚。同社の第三者委員会の調査で1348億円を費やした損失穴埋めが判明した。

 東京地検特捜部は12年2月、菊川剛元社長ら計7人を逮捕、全員を金融商品取引法違反罪で起訴した。

 オリンパスの旧経営陣の3人は13年7月、東京地裁で執行猶予付きの有罪判決を受けた。菊川元社長は懲役3年、執行猶予5年。控訴せず判決が確定した。

 「指南役」である横尾氏は証券取引法、金融証券法違反容疑で逮捕され、詐欺、組織犯罪法違反の容疑も加えられた。15年7月の1審・東京地裁判決は懲役4年、罰金1000万円の実刑を言い渡した。16年9月の2審・東京高裁は控訴を棄却。現在は、最高裁に上告中である。「オリンパスの簿外損失や損失隠しを認識していなかった」と無罪を主張している。

 横尾氏は、金融のプロとしてプライドを傷つけられたようで、こう綴る。

 「私は1審の法廷で『私がやったなら、こんな程度の低い真似はしない。もっときれいな方法でやる』と断言した。検察やオリンパス側は『このスキームは、専門知識がなければできない』と主張するが、金融の専門知識があれば、逆にこんな低レベルの手法は使わない」

 最高裁で判決が確定し収監される前に、「無罪」を主張しているのだ、と見る関係者もいる。同書を出版する動機については、こう書いている。

 「ある刑務官には『横尾さんにはどうしても、この経験を本にしてもらいたい』と言われた。『いま東拘(葛飾区小菅の東京拘置所)にいる3000人の被告の中で、おそらく1割は冤罪でしょう。小さな事件の裁判で勝っても意味はない。オリンパス事件という日本中を騒がせた大事件の裁判で、あなたが勝てば、日本の司法制度も少しは変わるかもしれない。そのためにも絶対に本を出版して、自分の無罪を主張してください』。裁判所の地下出入り口にバスで到着し、腰紐で繋がれたまま法廷に上がっていく時のこと。反対方向から歩いてきた刑務官に、何度か思いがけない言葉をかけられた。『横尾、あんな腐ったガキども(特捜検事)に絶対負けるな。叩きのめせ』」



 最高裁は、新しい証拠でも出ない限り2審の判決を覆すことはない。上告を棄却し、判決が確定する見通しだ。収監される前に「無罪の証明」の本を出したかったのかもしれない。
(文=編集部)


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