東京新聞:子世代とルール決めて “ブルー”にならない孫育てのコツ :暮らし … – 東京新聞



著書を手に「残り少ない人生、自分が納得した生き方を」と話す河村都さん=東京都内で

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 孫はかわいいけれど、世話に生活の全てをささげるのはつらい−。孫育てをするシニアが増えるにつれて、そんな複雑な気持ちを表す“孫ブルー”という言葉が広がっている。ブルーにならず、楽しく孫育てするためのこつはあるのだろうか。(出口有紀)
 独立行政法人都市再生機構(UR)は二〇一六年に、〇歳から小学三年生の孫がいる五十五〜八十歳の九百三十二人に孫育てに関する調査をした。「孫の世話をすることで、子ども世帯の役に立っていると思う」とした人は79%にのぼったが、一方で「体力面で『キツイ』と感じることが多い」という人は54%、「学校や園への送り迎えは正直、大変」と答えた人は53%だった。調査の担当者は「孫育ては楽しいけれど、つらいという本音が表れているのではないか」と話す。
 孫ブルーという言葉は、子育てに関する講演などをしており、今夏、「子や孫にしばられない生き方」(産業編集センター)を出版した河村都さん(70)が著書の中で生んだ。河村さんは「見た目は若い人でも体力が落ちているし、自分の人生を大切にしたいという思いもある。(孫の親に当たる)息子や娘には、はっきり口に出して伝えないと、そういう気持ちは分かってもらえない」と同世代に呼び掛ける。
 実は河村さんも孫ブルーの経験者。きっかけは、二〇一六年の春ごろ、都内の自宅を二世帯住宅にリフォームする工事が始まったこと。長女右(あき)さん(38)が双子を妊娠したのをきっかけに、二年前に亡くなった夫の希望に沿っての工事だった。
 しかし、夫と暮らした家が変わっていくのを見て思った。「二世帯で暮らし始めたら、ずっと私が孫たちの面倒をみるの? これまで通り仕事もしたい。一人になる時間もなくなる」。工事が進むに連れて、憂鬱(ゆううつ)も増していった。
 そんな自分はわがままなのか。同世代の女性たちに聞くと、孫の世話で体力を使い果たし、支出が増え、自分の時間がなくなる。そんな不満を抱えている人は意外なほど多かった。しかし、不満があっても伝えられないということも共通していた。
 そこで、そんなことにならないようにと、同居を始めるときに娘夫婦と相談して作ったのが八つのルールだ。一つ目は「緊急時以外、夜八時以降は手伝わない」。自分の時間を持てるし、無理して体調を崩しては孫を預かれなくなるからだ。
 お互いの部屋を訪ねる時は「事前に携帯電話のメールで相手の都合を聞き、入室する時にはノックする」ことも決めた。夕食は一緒にするため「食費や日用品の費用として、毎月、同額ずつ出す」。箱にお金とノートを一緒に入れ、ノートには支出の金額や使途を記録し、レシートも貼付する。住宅改修費の一部は娘夫婦が負担するが、返済中にうやむやにならないように司法書士を介して計画書などを作った。
 一方、右さんの負担を減らすことにも配慮。右さんの夫(41)と河村さんで予定を調整し「夜はどちらかが家にいる」というルールもつくり、在宅の夜に緊急のことがあれば手伝えるようにした。
 河村さんは「不満が重なり文句が出そうなところにルールを定めた。家庭の事情に合わせて、ルールや支出の分担などを話し合っておくといい」と話す。

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