【新社長登場】 日本触媒 五嶋 祐治朗 氏 “ネクスト”へ改革推進 – ヘッドライン ニュース



【新社長登場】 日本触媒 五嶋 祐治朗 氏 “ネクスト”へ改革推進

【新社長登場】 日本触媒 五嶋 祐治朗 氏

 ▽技術、製造畑を長く担当されてきました。
 「入社して20年くらいは川崎製造所で洗剤から医薬原料、電池材料など、さまざまな酸化エチレン(EO)の誘導体を開発していた。厳しい上司がいて、悪い意味でいえば仕事を丸投げされていた。ただ、自分でテーマを選び、実験や評価装置、パイロットプラントの設計も手がけられ、営業と一緒に世界中のユーザーにも出向けた。その経験が今の行動力や想像力につながっている」

 ▽長期計画「新生日本触媒2020」の後半4カ年の基本方針は。
 「研究のあり方を変えたい。4月に従来の研究本部を廃止してコーポレート研究を担う事業創出本部を設置した一方、各事業本部に研究部を設け、大半の研究員を配置した。研究員は研究だけに目が向きがちだが、製品は”売ってなんぼ”だ。会社が外の世界に触れる機会を与えていなかった面もある。事業部の研究部員は営業とユーザー訪問に同行し、サンプル提供、パイロットプラントの設計も手がけさせる。視野が広がるだろうし、事業部としての動きもスピーディーになる。事業創出本部との間で異動も柔軟にする。高吸水性樹脂(SAP)ほどでなくとも、売上高が100億円から数百億円規模の事業をいくつか生み出したい」

 ▽後半計画は20年の数値目標を変更しますか。
 「5月の公表を予定しているが、為替や原油価格など事業環境の前提条件を見直す。売上高目標の5000億円も変更するだろう。ただ20年以降、何年遅れるにせよ、5000億円の目標は目指す。そのためには人材育成、人材の多能化が欠かせない。ビジネスモデルもアプリケーション開発などの川下展開を強めなければならない。後半計画には”ネクスト”のフレーズを冠する」

 ▽SAPではコスト削減に取り組みます。
 「市況は底を脱したが、反転したとはいえない。当社の販売量は伸びているし、あとはいかにコストを下げるか。アクリル酸を含め、プロセス全体で見直す。SAPでは1ラインの年産能力を3万トンから5万トンに改善できている。18年に稼働予定のベルギー拠点に導入するのもこの設備だ。次のプラント建設は21年以降になるだろうが、さらに生産性を高めた設備を導入したい。一方でユーザーとは当社の技術や品質に価値を見いだしてもらえる”戦略的パートナー”の関係を構築していく」

 ▽健康・医療分野ではベンチャーに出資し、先月は米国のマロン酸エステルのベンチャーを買収しました。新規事業を育成する姿勢がみえます。
 「ペプチド医薬や核酸医薬はドラッグ・デリバリー・システムの医薬原料を受託製造するビジネスを想定している。米ベンチャーのシラス社は当社も目をつけていたマロン酸エステルの安定化技術があり、アクリル酸との共重合などで新しい機能を発揮する素材開発ができる。自動車ボディーの塗装工程短縮なども期待できるだろう。後半計画はSAPへの設備投資がない分、M&Aの戦略投資予算を拡充する。ベンチャー企業の技術を当社が工業化するスキームを基本とし、50億円規模の買収を何件か実行していきたい」

 (聞き手=佐藤尚道)

 【横顔】同社がモデルの小説やテレビドラマ『炎の経営者』を「目的に向かってみんなの力を結集してやり抜く。あれが当社の原点」と語る。川崎製造所時代は”歌って踊れる工場長”の異名を取り、社内の顔も広い。現在は関東の家と社長の仕事場の関西を往来する奥様を「お笑いに連れて行きたい」といたわる面も。



 【略歴】〔五嶋祐治朗氏=ごとう・ゆうじろう〕1980年(昭和55年)熊本大学工学部卒、同年日本触媒入社。11年生産本部副本部長兼生産技術部長、12年執行役員、15年取締役常務執行役員。山口県出身、59歳。


こんな記事もよく読まれています



コメントを残す