紙上講演 明治大大学院教授 野田稔氏 – 山陰中央新報



明治大大学院教授 野田稔氏

一億総活躍時代を乗り切る秘策

創造性重視し企業改革

 山陰中央新報社の米子境港政経クラブ、島根政経懇話会の定例会が9、10の両日、米子、松江両市内であり、明治大大学院教授の野田稔氏(59)=経営戦略論=が「一億総活躍時代を乗り切る秘策」と題して講演した。社員が創造性を発揮できるよう組織を改革することが、今後の企業経営に欠かせないと指摘した。要旨は次の通り。

 企業経営の“当たり前”を考え直す時期に来ている。高度経済成長期の日本企業では、均質な人材が根性論の下で働き、規模拡大するなど成果を収めた。

 その成功体験が、日本企業の不調要因の一つとなっている。日本の1人当たりの国内総生産(GDP)は世界27位に下降した。変革がなければ、さらに下降は続く。

 例えばF1レースで、無休、徹夜で車体を整備した日本人のピットクルーを擁するチームが、業務中に十分な休憩を取り定時に帰宅するイタリア人クルーのチームにあっさりと敗れることがある。しのぎを削る勝負の世界で必要な創造性が発揮される前に、疲弊してしまうからだ。

 労働時間や生産人口が日本よりも少なくても、1人当たりのGDPが高い国はある。目の前の仕事が本当に必要なのかを含め、目的を重視した真の働き方改革が必要だ。

 これからの企業経営は商品の質を高める「差別化戦略」の時代となり、創造的な仕事を生み出す組織づくりを考える必要がある。

 人材確保の観点で言えば、これまで良しとされた均質な人材確保ではなく、「若者(気の若い人)」「よそ者(多様性)」「バカ者(いちずな人)」を意識的に登用することが重要だ。また、年齢的な枠組みも取り払うべきだ。現在、日本人の4分の1が65歳以上の高齢化社会で、平均寿命も延びている。気の若い元気なシニア世代の積極登用も欠かせない。



(’17/03/11 無断転載禁止)










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