コラム:ウサギとカメ、米配車リフトはウーバーを抜けるか – ロイター



[ニューヨーク 19日 ロイター BREAKINGVIEWS] – 米配車サービス、リフトの時価総額がうなぎ上りだ。19日にはグーグル親会社アルファベット(GOOGL.O)傘下の成長投資基金キャピタルGが主導した出資で10億ドルを調達し、企業価値が半年前の75億ドルから110億ドルへと一気に膨らんだ。

 10月19日、今回の米配車リフトの資金調達ではっきりしたのは、自信過剰なウサギのウーバーをよそ目に、リフトは今のところカメのように着実に歩を進めているということだ。写真はリフトのロゴ。カリフォルニア州で9月撮影(2017年 ロイター/Chris Helgren)

競合相手、ウーバー・テクノロジーズにはなお規模で劣るものの、ウーバーは最近失速し、間近に控える資金調達では評価額が前回を下回る見通し。ウーバーに比べ、お行儀の良いリフトの経営手法が功を奏しつつあるようだ。

ウーバーは最近、セクハラからロンドンでの営業免許取り消しに至るまで数々の問題と格闘している。同社は世界中で法律に挑み、時には違反しながら事業拡大に猛進してきた。前回の資金調達で時価総額が700億ドル近くに達したところを見ると、この姿勢はある意味で成功している。ソフトバンク(9984.T)が間もなく実施するウーバーへの出資は、企業評価額を500億ドルにディスカウントして既存株式を購入する見通しだが、それでも業界におけるウーバーの支配的地位は揺るがない。

しかしリフト側も、柔らかい経営姿勢が事業拡大につながることを証明しつつある。最近はウーバーのコスロシャヒ新最高経営責任者(CEO)も、ロンドン交通局との交渉などで態度を軟化させるようになった。

今回のリフトの資金調達は、以前ウーバーに間接出資したアルファベットの寵愛が、リフトに移った証しと読めなくもない。もっともリフトは既にアルファベットの自動運転車開発企業ウェイモと協力中で、ウェイモはウーバーを提訴中だ。

配車事業と自動運転開発は、そもそも親密な関係にある。例えばゼネラル・モーターズ(GM)(GM.N)は昨年リフトに投資し、両社は自動運転車の開発で合意したが、業界メディアによるとGMはウーバーとも自動運転車での提携を協議中。またフォード・モーター(F.N)は先月、リフトとの間で同様の提携を結んだといった具合だ。

状況は込み入っているが、今回の資金調達ではっきりしたのは、自信過剰なウサギのウーバーをよそ目に、リフトは今のところカメのように着実に歩を進めているということだ。

●背景となるニュース

*リフトは19日、グーグル親会社のアルファベット傘下の成長投資基金キャピタルG主導の出資で10億ドルを調達した。リフトは半年前に6億ドルを調達したが、企業価値評価は当時の75億ドルから110億ドルに拡大した。

*アルファベットは2013年、別の投資子会社GVを通じてウーバー・テクノロジーズにも出資している。しかしウーバーはその後、自動運転車の開発に着手し、アルファベット子会社のウェイモと直に競合するようになった。

*ウーバーは経営陣の入れ替えやセクハラ問題、訴訟にも直面している。同社は近く、ソフトバンクによる最大100億ドルの投資で合意する見通し。報道によると、ソフトバンクによるウーバー株式の購入価格は、新株については企業評価額にして700億ドル相当と、ウーバーの前回の資金調達と同水準だが、より大きな部分を占める既存株の買い取りでは、企業評価額が500億ドル近くに引き下げられる。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。



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