中部地銀8行の純利益1割減 総資金利ざや「逆ざや」も – 日本経済新聞



 中部3県に本社を置く地方銀行8行の2017年4~9月期連結決算が13日出そろった。8行の純利益の合計は前年同期比で約1割減り、総資金利ざやは3行がマイナスとなった。株価の上昇で株式売却益などが膨らんだものの、日銀のマイナス金利政策の影響で本業の融資で稼ぎにくい状況は続いている。

 十六、大垣共立、愛知、中京の4行の純利益が前年同期を下回った。大垣共立銀は前年同期に特別利益があった反動で落ち込みが大きい。増益となった4行は株価の上昇で持ち合い株の売却益が膨らんだり、配当収入が増えたりした面が大きい。

 9月末の8行の貸出金の合計は1年前より4%増えた。中部の製造業は全国と比べて業績が底堅く設備投資意欲も旺盛だ。各行とも比較的金利の高い中小企業の資金需要の掘り起こしを急いでいる。三重銀行の渡辺三憲頭取は決算記者会見で「地域の中小、零細企業ときめ細かく取引し、収益を増やす」と強調。中京銀の永井涼頭取も「担保などに依存せず、事業性を見極めた貸し出しを強化する」と話した。

 ただ金利などで稼ぐ資金利益の合計は前年同期比3%減った。融資や国債などの運用利回りと資金調達原価の差を示す総資金利ざやは十六、名古屋、三重の3行が「逆ざや」となっている。

 主因が貸出金利の低迷だ。第三銀行の岩間弘頭取は「(金利の下げ幅は)縮小してきたが、止まるだろうと思ったのが止まらない」と指摘する。地銀だけでなく、メガバンクや信用金庫などが入り乱れる中部地区は融資競争が激しく、融資金利が低い。マイナス金利政策も金利の圧迫要因としてのしかかったままだ。

 8行とも金利に依存せずに稼げる保険や投資信託販売などの手数料ビジネスに力を入れており、銀行を訪れる個人顧客への対応スペースを拡大するなど対策を積み重ねている。大垣共立銀の土屋嶢頭取は「銀行業務だけでなく、新しいサービスの展開を検討していく」と話す。新たな収益源の確立が急務だ。



(小野沢健一)


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