「どこでもできる仕事」を鹿児島・奄美で 移住者呼び込みへフリーランス育成 – 産経ニュース



 鹿児島県奄美市(奄美大島)は「フリーランスが最も働きやすい島」を目指し、移住者の呼び込みなどのため個人事業主の育成に力を入れている。「仕事や育児の合間を縫って、楽しんで挑戦してほしい」。9月に開かれた市の無料講座では、20~60代の女性約30人が講師の話に耳を傾け、熱心にメモを取った。

 奄美市は人口約4万4千人と離島では規模が大きいが、進学や就職を機に若者の多くが島を去る。基幹産業の農業は後継者が育たず、特産の黒糖焼酎の製造も下火だ。

 危機感を強める市は、「どこでもできる仕事」をしながら、豊かな自然に囲まれた「ここでしかできない暮らし」の魅力をアピール。市全域への光回線導入を進める傍ら、平成27年から東京のIT(情報技術)企業などと連携し、インターネットを使って島外から仕事を受けられるよう「フリーランス寺子屋」を公民館などで定期的に開いてきた。

 少しずつ成果も出ている。ハンドメイド商品の通販サイト「minne(ミンネ)」の商品に今年5月、特産の絹織物「大島紬(つむぎ)」を使ったベビーシューズが登場した。講座を受けたパート、嶺紀子さん(58)がデザインし、花の刺繍(ししゅう)をあしらい1針ずつ丁寧に仕上げた。

 ミンネを運営するGMOペパボ(東京)の和田真歩さん(41)が講師として値段設定や写真のコツ、配送方法などを教えた。嶺さんは「島の素材を生かし服も作りたい。いつか本業にできたらいいな」と笑顔を見せる。

 記事の書き方や写真撮影などを学ぶ別の講座もあり、延べ300人以上が参加。来年夏の世界自然遺産登録を目指す奄美大島は、観光情報の充実も急務で、受講生の活躍が期待される。奄美市商水情報課の稲田一史主査は「働き方の選択肢を広げて、移住者も増やしていきたい」と意気込む。



 コンサル事業などを手がけ、「寺子屋」事業にも関わる奄美市の勝真一郎さん(53)によると、奄美の大自然の中でサーフィンやダイビングなどを楽しみながら、ネットを使い仕事をする移住者も少しずつ増えているという。勝さんは「一度奄美を離れた人も、経験を積み、島の魅力を再発見して戻ってきてくれれば良い」と話した。


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