J.JILLのIPOが投資家にどう受け止められるかは、専門店セクターの未来を占う上で重要 – Market Hack (ブログ)



jjill-logo裕福層のおとなの女性をターゲット顧客に据えたアパレル・ブランド、J.JILL(ジェイ・ジル→ティッカーシンボル:JILL)の新規株式公開(IPO)が昨夜値決めされました。当初のレンジ14から16ドルを下回る、13ドルでの値決めです。今回発行株数は売出し目論見書通りの1170万株です。

値決め価格が予定を下回ったということは、BofAメリルリンチ、モルガンスタンレー、ジェフリーズなどから成る幹事団はこのディールの販売に苦労したことを意味します。

それもそのはず、小売セクターは、いまあらゆる角度から攻撃に晒されており、投資家の同セクターに対する見方には厳しいものがあるからです。

まず実店舗を中心とした小売店は、アマゾン(ティッカーシンボル:AMZN)から激しい競争に晒されています。次に下院が提案している税制改革法案には国境税調整がふくまれており、それが実現すると輸入品に一律20%の関税がかかるため、中国やバングラデシュで縫製されたアパレルに依存している専門店は大きな影響を受けます。

こうした厳しい環境の中、小売各社はオンライン・ショッピングへの移行に取り組んでいます。しかし売上高全体に占めるオンライン比率は、やっと二桁台に乗ったという企業が大半だと思います。

その点、J.JILLは興味深い存在です。なぜなら実店舗の売上比率が58%、オンライン+カタログが42%と、すでにオンライン比率が高くなっているからです。言い換えれば、他の小売店が行こうとしている理想の実店舗:オンライン比率に、J.JILLはもう到達しているということです。

それは1)店舗の閉鎖などのリストラの必要がない、2)オンライン移行によるマージンへの影響などを心配する必要がない、3)小売業の中で、ネット通販という市場そのものが拡大している分野に陣取ることで、その恩恵を受けることが出来る……など、さまざまなアドバンテージを同社は有していることを示唆します。

実際、同社の既存店売上比較は2014年が5.4%、2015年が12.4%、2016年の最初の9か月が10.0%と、大変立派です。



それにもかかわらず今回、IPOを売りあぐねたということは、他の小売業者がネットへの移行をうまくやり遂げても、投資家からの評価は高まらないことを示唆している可能性があるのです。


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