宇宙ビジネスに価格革命 「衛星バス」量産のスタートアップ企業 – Forbes JAPAN



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宇宙産業はこれまで極めて非効率で高コストな業界だった。ロケットの多くは手作りで、探査用ローバーや衛星は1回限りのミッションのために特別に設計されていた。しかし、最近ではこうした状況を変革しようと考えるスタートアップが現れはじめている。その代表格が、コロラド州デンバーに本拠を置く「ヨークスペース・システム(York Space Systems)」だ。同社はVulcan AerospaceのCEOを2年務めたChuck Beamesがエグゼクティブ・チェアマン兼最高戦略責任者に就任したことを明らかにした。

「Beamesは宇宙産業において設計や製造、投資、買収など様々な仕事を経験してきた業界の大ベテランだ。彼は明確なビジョンを持つリーダーでもあり、当社のさらなる成長を牽引してくれると確信している」とヨークスペースのCEO、Dirk Wallingerはフォーブスのインタビューに応えた。

ヨークスペースは2015年に設立され、衛星バスの設計・製造を行っている。衛星バスとは、複数の人工衛星に対応する基本機能を備えたプラットフォームのことだ。同社がユニークなのは、衛星バスのデザインを標準化し、大量生産を可能にしたことだ。これにより、衛星開発会社は標準のインターフェース上に実験装置を設計することが可能になった。ヨークスペースは、ソフトウェア業界におけるアプリストアに例えることができる。

また、衛星に搭載する機器も、安価で汎用性のあるものを製造できるようになり、衛星開発会社の製造コストは大幅に減少した。「標準化こそが業界を変革する鍵だ。標準化によって部品メーカー間の競争が激しくなるとコストが下がり、次世代の起業家の参入を促すことになる」とBeamesは話す。

航空宇宙産業で豊富な経験を持つBeamesが加わったことで、ヨークスペースのプラットフォームが業界標準になる可能性は十分にある。Beamesは、国防総省で宇宙領域におけるインテリジェンス活動を行う部門の要職を務めたほか、衛星の打ち上げ仲介を行うSpaceflight Industriesでディレクターを務めた経歴を持つ。

ヨークスぺースは最近、米陸軍宇宙ミサイル防衛コマンドによる衛星打ち上げプロジェクト「Harbinger Mission」の実行を請け負っており、Beamesの防衛産業における経験は同社にとって特に貴重だと言える。



「安全保障に関わる宇宙プロジェクトのコスト削減は、我々にとって極めて大きな可能性を秘めている」とBeamesは話す。


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