塩野義がUMNファーマに手を差し伸べた理由 – 会社四季報オンライン



写真はイメージ(cassis / PIXTA)

 投資のパフォーマンスが最も高いのは、企業の復活のタイミングだ。優良企業は業績がいくら上方修正されても、株価上昇ののりしろは限定的である。逆に、死に体だった企業の復活は、まさに青空天井であり最大の投資の好機といえよう。ちょうど今、復活しつつある創薬ベンチャーが、UMNファーマ(4585)だ。

 UMNファーマの株価は10月31日の新たな提携発表から5回のストップ高を繰り返し、10月30日の株価から700円を突破、一気に提携前の2.5倍に上昇した。同社の新たな提携相手は、大手製薬メーカーの一角である塩野義製薬(4507)だ。以前、UMNファーマはアステラス製薬と包括的な提携関係にあった。この提携の崩壊から同社の地獄がスタートしたわけだが、新たなエンジェルとして登場した塩野義製薬は意外な組み合わせである。

 UMNファーマは塩野義製薬と包括的な資本業務提携で合意し、塩野義製薬に対して第三者割当による新株式などの発行も発表。これは、事実上、塩野義製薬によるUMNファーマの救済といっても良いものである。塩野義製薬の手代木功社長は今回の提携の目的について、2018年3月期中間期の決算説明会で日本発の有力なバイオベンチャー企業をサポートしたいと述べている。

UMNファーマと塩野義製薬の複雑な関係

 UMNファーマと塩野義製薬は開発面では複雑な関係にあった。UNMとはアンメット・メディカル・ニーズ(Unmet Medical Needs=未充足の医療分野の需要、有効な治療法が望まれる医療ニーズ)の略である。



 医療の究極のテーマを社名に掲げたUMNファーマだが、同社が開発を進めたインフルエンザワクチンは開発が頓挫している。日本の審査機関であるPMDA(医薬品医療機器総合機構)は同社のワクチンについて「臨床的意義は極めて乏しく、審査の継続はできない」との最後通牒を発信済みだ。UNMファーマの技術は米国のプロテイン・サイエンシズ・コーポレーション(PSC)社から導入したもので、同ワクチンは米国市場では普及している。まさかの審査終了だった。


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