東電経営計画 収益力高めて福島再生進めよ : 社説 : 読売新聞 … – 読売新聞



 福島第一原発の廃炉や賠償費用の返済を着実に進めるには、東京電力が戦略的な提携で収益力を高めることが必要だ。

 東電が新たな経営計画の骨子を発表した。

 経済産業省の有識者会議の提言に沿って3年ぶりに見直す。他電力との統合や提携で、「稼ぐ力」を強化することが柱である。

 福島原発の事故処理費用は21・5兆円と従来予想より倍増し、このうち廃炉や賠償など16兆円を東電が負担する。今後30年間は年5000億円の確保が必要だ。

 福島再生に向けて、東電は、全社的な改革に取り組み、経営計画が示す様々な施策を着実に実行しなければならない。

 骨子が重視しているのは、東電が、事業ごとに他社との協業体制を打ち出すことだ。東電単独では収益力の向上に限界がある以上、妥当な判断と言えよう。

 火力発電事業では、中部電力との全面統合を掲げた。実現すれば、火力発電で国内の5割を占め、燃料調達でも世界有数の企業となる。統合効果を発揮するため、早期合意を目指してほしい。

 送配電事業も連携体制を構築する。2020年代初頭に他社と共同事業体を設立し、25年度に1500億円のコスト削減を狙う。

 問題は原発事業である。

 骨子は他の大手電力との再編・統合を目指す方針を示した。東電再建に資するだけでなく、安価な電力を安定的に供給する体制作りにも有効だろう。

 ただ、再編相手となる他電力には警戒感が広がっている。原発事故の処理費用を負担させられる可能性があるとの懸念を抱くのは、無理もあるまい。

 将来にわたって、福島原発の処理には東電と国が責任を負う。この原則に他社の理解と信頼が得られるよう、政府と東電は努力しなければならない。

 柏崎刈羽原発の再稼働も大きな課題だ。1基500億円の収益改善効果が見込まれるが、免震重要棟の耐震不足を示すデータを公表しなかったことが発覚し、地元自治体の不信を招いている。信頼回復に向けた取り組みが急務だ。

 東電の経営改革を推進する上で企業統治の確立も欠かせない。

 東電は、会長や社外取締役の交代など経営陣の刷新を検討している。気がかりなのは、経営陣と現場の間で意思疎通が十分ではない面がうかがえることだ。



 新体制では、隠蔽体質を払拭し、若手社員が意欲を持てる社内風土を作ることが重要である。


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