東芝社長、WH買収「問題ある判断」 海外原発事業から撤退 – 日本経済新聞



 東芝が経営危機の主因となっていた米原子力子会社のウエスチングハウス(WH)を切り離す。29日、WHが米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請したことを受けて東京都内の本社で記者会見した。綱川智社長はWH買収について「非常に問題のある判断だった」と言及し、最大の経営リスクだった海外原子力事業から撤退し経営再建をめざす考えを示した。

 本社で記者会見した綱川社長、平田政善最高財務責任者(CFO)、原子力事業担当の畠沢守執行役常務の主な発言は次の通り。

 ――WHの破産法申請は今後のリスク遮断となるのか。

 綱川氏「海外のリスクは色々あるが、原子力事業が一番大きく、これでほぼ撤退になった。他の海外事業は順調に収益も改善している。国内の燃料・廃炉サービスは社会的責任を持って進める」

 ――東芝はどの段階で、WHの破産法の適用申請を避けられないと判断したのか。

 畠沢氏「WHの損失発覚を報告した後から候補の一つだった。WHが再生と事業に関わるステークホルダーと議論を積み上げて今日決定し、それを東芝が確認した」

 ――WHを買収してからの約10年をどう総括するか。

 綱川氏「今振り返ると非常に問題のある判断だった。(原因は)一言で言うのは難しい。ガバナンス(企業統治)や意思疎通など経営の全般的なことを中心にした問題だと考えている」

 ――債権者からの訴訟リスクはあるのか。

 綱川氏「今回の申請は電力会社とも密に話し合って決めた。顧客の要求に応じて親会社保証を支払うが(電力会社と)良好な関係を築いている」

 畠沢氏「私どもの観点では訴訟リスクはないと考えている」

 ――今後のWHの運営方針やスポンサーについてどう考えているか。

 畠沢氏「再建策の検討中に出てくる話なので東芝からは申し上げられない。米国の定めで、(スポンサー選びは)WHの執行側が案を考えて裁判所が判断する」

 ――追加コストの61億ドル(約7千億円)はなくなるのか。

 畠沢氏「今後、裁判所の管轄で、顧客とプロジェクトを続けていく議論をしながら着地点を見つける。追加コストはないという認識だ」

 ――売却する半導体メモリー事業の価値をどうみているか。

 綱川氏「少なくとも2兆円と考えている。データセンターなど市場が拡大していることで企業価値が上がっている」

 ――延期した2016年4~12月期の決算発表の見通しは。

 綱川氏「4月11日(の決算発表)にむかって誠心誠意、色々な調査をしているところだ」

 ――通期決算の発表が遅れる可能性は。

 平田氏「第3四半期も遅れている。今のところ(申請による損失額は)通期に決算に反映していくので、大きな遅れはないとみている」

 ――17年3月期の連結最終損益は最大1兆100億円の赤字となる見込みで、国内製造業として過去最大だ。

 綱川氏「経営トップとして大変責任を感じている。収拾に向けて全力で取り組む」

 ――身の処し方は。



 綱川氏「繰り返しになるが、進退は指名委員会に委ねたい」


こんな記事もよく読まれています



コメントを残す