焦点:米国で専門職ビザの差し戻し急増、外国人採用に暗雲 – ロイター

[ワシントン 20日 ロイター] – トランプ米政権が、オバマ前政権期よりも頻繁に査証(ビザ)申請を突き返し、専門技能を持つ外国人労働者の米国における就労を一段と困難にしていることが、ロイターが入手したデータで明らかとなった。

専門性の高い知識や技術を有する外国人労働者に発給する一時就労ビザ「H─1B」の審査厳格化は、給与水準の高い労働者に与えるべく、トランプ大統領が同ビザ制度の変更を求める大統領令に署名した後に起きている。そのような改革はまだ制定されてはいない。

米市民権・移民業務局(USCIS)のデータによると、今年1─8月に申請されたH─1Bビザのうち、8万5000件が突き返され、「追加書類要求(RFE)」が出されている。その場合、ビザ発給は数カ月遅れかねない。

こうした件数は、ビザ申請数の伸び率が昨年同期比で3%を切るなか、45%増加した。データのない2009年を除けば、オバマ前政権のどの時期よりも、今年は突き返される割合が非常に高まっている。

審査厳格化の傾向は、移民問題でトランプ大統領の強硬姿勢を支持する人たちを活気づかせるだろう。外国人技能労働者向けのビザのせいで、海外からやって来る低賃金労働者が米国人労働者の職を奪っていると彼らは言う。

その一方で、主要テクノロジ―企業や大学、病院は、そのようなビザによって、条件に見合った米国人が少ない高度な専門職向けの人材を確保することができると主張している。

H─1Bビザを取得するのは通常、学位のある外国人労働者だ。同ビザは1度につき3年間有効となる。テクノロジー、医療、教育分野で利用されることが多い。USCISのデータによれば、マイクロソフト(MSFT.O)、アマゾン(AMZN.O)、グーグル(GOOGL.O)、アップル(AAPL.O)、インテル(INTC.O)、オラクル(ORCL.N)、フェイスブック(FB.O)は、2016年に同ビザを多用していた。

移民弁護士はこれまで、無駄が多く、面倒な仕事を伴うビザ申請が差し戻されることに不満を抱いていたが、トランプ政権になって新たな傾向が見られると指摘する。

今まで以上に申請書にケチをつけるだけでなく、外国人技能労働者に提供される初心者レベルの仕事も対象にしているという。これはH─1Bビザを巡る法律に違反すると、弁護士は指摘する。ビザ保持者は、初心者レベルの職に就くことが認められているからだ。

差し戻しが増加したり、初心者レベルの仕事に狙いを定めたりしていることについて、一部の弁護士は、正式な規制変更あるいは議会承認を得た変更が行われないうちに、トランプ政権がH─1Bビザ制度に対してひそかに実行している作戦だとみている。

「トランプ政権の方針に一致する移民政策を実施する方法の1つは、H─1Bビザに関する審査を厳格化することだ」と、ニューヨークに拠点を置く移民弁護士の1人は語った。

USCISの広報担当者ロバート・C・ラングストン氏は、弁護士が認めるこの新たな傾向やRFEの急増について直接コメントしなかったものの、同局は「申請を評価するための法定要件と解釈される現在の方針」にのっとっていると、電子メールで回答した。

<抜け穴をふさぐ>

パートナーズ・ヘルスケアは、ハーバード大学メディカルスクールのための教育病院2つを含む医療ネットワークだが、今年になってUSCISから50通を超えるRFEを受け取ったと、パートナーズのH─1Bビザを担当する移民弁護士アンソニー・パウエルスキー氏は語る。昨年のRFE数は計15通に満たず、同ビザの申請数も昨年とほぼ変わっていないという。

申請書には、非営利であることの証明や、1948年にハーバード大学メディカルスクールと病院とのあいだで交わされた合意、また、同大学との200年に及ぶ歴史について言及している病院のウェブサイト上の説明も含まれていたが、USCISは病院と大学とのつながりに関して問い合わせをしてきたとパウエルスキー氏は説明。

「プロセスや裁定を遅らせるため、できることは何でもしている。考え得る抜け穴をすべてふさぐことが頭にあるのだろう」と同氏は述べた。

 9月20日、トランプ米政権が、オバマ前政権期よりも頻繁に査証(ビザ)申請を突き返し、専門技能を持つ外国人労働者の米国における就労を一段と困難にしていることが、ロイターが入手したデータで明らかとなった。米バージニア州のワシントン・ダレス国際空港で6月撮影(2017年 ロイター/James Lawler Duggan)

USCISの広報担当者ラングストン氏は、特定のH─1Bビザ申請についてコメントするのを控えた。

差し戻しの増加が、今年に発給されるビザ数にどう影響するかはまだ分からない。USCISは2016年度にH─1Bビザ申請の87%を承認した。今年度は6月30日までに59%が承認されているが、申請の大部分が処理される2017年度の最後の3カ月が含まれていないため、その数は確定していない。

民主・共和両党の議員は共に、H─1Bビザを批判している。同ビザによる最大の恩恵を受けているのがアウトソーシング企業で、同制度を利用してIT分野の低位の職を米国人から奪っていると批判されているからだ。両党の議員は今年、同ビザの改革案を提出している。

トランプ大統領は4月、H─1Bビザの審査を厳格化する大統領令に署名。同ビザが確実に「技能もしくは給与水準が最も高い申請者に与えられる」ことを狙ったものだ。大統領令自体は制度変更の実施を意味しないが、関係省庁に改革を促すものだ。

<かさむ費用>

初心者レベルの仕事に対するビザ申請の差し戻しは、多くの場合、給与が仕事内容の割に低過ぎるか、仕事がH─1Bビザが求める「専門性」に該当しないかのどちらかであることが、数百件に及ぶRFEを米移民弁護士協会(AILA)が検証した結果、明らかとなった。

 9月20日、トランプ米政権が、オバマ前政権期よりも頻繁に査証(ビザ)申請を突き返し、専門技能を持つ外国人労働者の米国における就労を一段と困難にしていることが、ロイターが入手したデータで明らかとなった。写真はパスポートを掲げるイエメン人。米バージニア州のワシントン・ダレス国際空港で2月撮影(2017年 ロイター/Jonathan Ernst)

初心者レベルの仕事とは、大学の新卒者で就労経験がほとんど、もしくはまったくない人向けのポジションを指す。このような仕事の給与は、4段階中で最低の「レベル1」に該当する。

「給与レベルがそのポジションにとって適切でなければ、RFEが正当化される可能性がある」と、USCISの広報担当者ラングストン氏は語った。

USCISのデータは、どのようなポジションがRFEに該当するか、またその理由について明らかにしていない。

弁護士はまた、USCISが暗に主張している「専門職は初心者レベルの仕事になり得ない」という点に疑問を呈している。若い医師やエンジニアを挙げ、彼らに就労経験はないが、技術的スキルを学ぶために何年も費やしていると指摘する。

あらゆる分野においてRFEが出されているが、AILAの検証結果によると、ソフトウエア開発者とコンピューターシステムのアナリストが他の職種よりもその頻度が高かった。

シリコンバレーのテクノロジー企業大手は、以前と比較してより多くのRFEを受けたかについて、コメントを拒否、あるいはその要請に回答しなかった。

RFEによって、H─1Bビザ申請1件当たりの費用は1.5倍にもなると、弁護士は言う。同ビザの申請料は約2500ドル(約28万円)、弁護士へ支払われる標準的な料金は1件当たり2000ドル、もしくはそれ以上だという。

費用増加と手間のせいで、雇用主が、とりわけジュニアレベルの仕事において外国人労働者の雇用を敬遠する可能性があると、移民弁護士は指摘する。

米国有数の移民弁護士事務所ベリー・アップルマン・アンド・レイデンのジェフリー・ゴルスキー弁護士によると、同事務所のクライアントである中規模テクノロジー企業は今年、USCISから1日に6通のRFEを受け取った。

同企業は2015年後半から2016年末にかけて、1件のH─1Bビザ申請を巡る、わずか1通のRFEしか受け取らなかったという。

(翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」

水虫で転倒しやすく? 歩き方に異変、高齢者注意 – 日本経済新聞

 多くの人を悩ませる水虫。たかが水虫と侮るなかれ。爪の水虫にかかると、下肢機能が低下して転倒するリスクが高まるという。毎日のケアで、完治・予防しよう。

 水虫の原因になる白癬菌はカビの一種。高温多湿の環境を好み、皮膚の角質に感染して水虫を引き起こす。長時間靴を履いている働く世代で悩む人が多いが、高齢者にとっても人ごとではない。

 文京学院大学の藤谷克己教授が一般成人と65歳以上の高齢者計159人を調査したところ、白癬菌を散布しているのは、64歳以下の9パーセントに対し、高齢者は55パーセントに達した。

 白癬菌が足の裏や指に感染すると足白癬に、爪の中に入り込むと爪の水虫「爪白癬」になる。爪白癬はかゆみなどの症状がなく、気付かない人も多い。進行すると、爪が白や黄色に変色し、厚くなったりボロボロになったりする。放置すると爪が変形する。

 問題は、水虫は命に関わらない疾患だと見過ごされがちなことだ。実は水虫が高齢者の転倒リスクを高める恐れがあると分かっている。

 早稲田大学スポーツ科学学術院の中村好男教授らが1万581人を対象に調査したところ、足の指や爪に水虫などの問題を抱えている高齢者で、過去1年間に転倒経験を持つ人の割合は、そうでない人よりも高かった。

 水虫や爪白癬など「足に疾患があると、足の指が地面に付きにくくなり、バランスを崩したり、すり足になったりして転倒する可能性がある」(中村教授)。

 足の爪は移動するときに重要な役割を果たす。「歩行時に足の指で地面を蹴るとき、足の爪には大きな力がかかる」と中村教授。ところが「爪白癬にかかると爪がもろくなるため、足先に力が入らずよろけてしまい、転倒するリスクを招く」と藤谷教授は指摘する。

 なかでも爪白癬になりやすい足の親指は、踏ん張るときに力がかかる場所だ。水虫で爪が弱ると、踏ん張れなくなって転んでしまう。さらに「水虫にかかった爪が剥がれることで、歩行困難に陥るケースもある」(藤谷教授)という。

 高齢者は特に注意が必要な水虫だが、「予防はシンプルで、完治も可能」と藤谷教授。一番有効なのは、1日1回足を洗って、原因の菌を取り去ることだ。

 白癬菌は水虫の人の足から剥がれ落ちた垢(あか)に数多く潜み、スポーツジムや介護施設など人が集まる場所でまき散らされる。足に付いた菌を放置すると、約24時間かけて角質に侵入し、感染する。

 せっけんを泡立てて指の間や爪の溝の周り、足裏をよく洗う。水で流してから、乾いたタオルで拭きとる。バスマットの共有は避ける。足の指の間を拭くのも効果的だ。ただし「消毒用アルコールでは菌は落ちない」(藤谷教授)。せっけんの方が殺菌作用が大きいという。

 足の爪は短く保つ。同じ靴を履いたり、靴下を長時間履き続けたりすると、足が蒸れて白癬菌の増殖を招くので、毎日履き替えよう。サンダルの素足履きでかかとがかさつき、菌が入りやすくなって水虫に感染する例もある。クリームで保湿を心がけたい。

 日ごろの足の使い方も重要だ。「歩き方を意識しないでいると、水虫は繰り返す」(中村教授)。歩行時はかかとと親指の付け根、小指の付け根の3点を意識して、かかとから足の指へ重心を移動する習慣を身につけたい。

 水虫は完治を目指せるだけに、皮膚科専門医による見極めが必要だ。毎日足を洗うことに加えて、菌を持つ人が自覚してしっかり治療を受けることが、他の人の水虫の予防にもつながる。

(ライター 高谷治美)

[NIKKEIプラス1 2017年9月16日付]

ポルノ大国の先進国で「男子劣化」が深刻な問題になっている理由[橘玲 … – ダイヤモンド・オンライン

発売即重版決定! 幸福の「資本」論(橘玲著) 好評発売中

 今回は、フィリップ・ジンバルドー、ニキータ・クーロンの『男子劣化社会』を紹介したい。

 原題は、イギリス版が『Man Disconnected: How technology has sabotaged what it means to be male(つながらない男:テクノロジーはどのように“男であること”を妨げるのか?)』、アメリカ版が『Man, Interrupted: Why Young Men are Struggling & What We Can Do About It(男はさえぎられている:なぜ若い男たちはもがいているのか? それに対して私たちはなにができるのか?)』だが、『男子劣化社会』は本書のテーマを現わすよい邦題だ。著者たちは、若い男性が現代社会の環境の急速な変化に適応できず、機能不全に陥っていると警告しているのだから。

 著者の一人フィリップ・ジンバルドーはスタンフォード大学心理学名誉教授で、「スタンフォード監獄実験」として知られる(悪名高い)心理実験の責任者であるとともに、その全貌を描いた『ルシファー・エフェクト』で知られている。本書ではそのジンバルドーが、現代アメリカの社会の「男子劣化」の現状を憂いている。

男子生徒が学校から脱落しつつある

 アメリカではいま、感情面で大人になっていない男性や自立できない男性が増えていて、「マン・チャイルド」や「ムードル(マン+プードル)」といった新語も登場したという。

 彼らの特徴は、「成人後も子どもから脱しきれず、女性と同等の人間、友達、パートナー、恋人、ひいては大切な妻としてさえ関わることが困難になっている」ことで、「調査を通して私たちは、今の若い男性の多くが長期的に恋愛を維持することはもとより、結婚にも、父親になることにも、自分の家族を作ることにも興味がないことを発見した」とジンバルドーは述べる。

 すぐわかるようにこれは、日本の「草食化」とよく似た現象だ。実際、この言葉は「herbivore men(草食動物の男)」や「grass-eater men(草を食べる男)」という英語になっている。

 その原因をジンバルドーは、テクノロジー(インターネット、ゲーム、オンラインポルノ)とドラッグ(違法薬物と向精神薬)に求めているのだが、それ以前に、アメリカでは(というか世界的に)男子は教育から脱落しつつある。

 ジンバルドーによれば、いまやアメリカ史上はじめて、少年たちの受ける教育が父親たちより短くなっている。そればかりか、女子生徒が活躍する一方で、男子生徒はますます学校から脱落しつつある。

 アメリカにおいては、女子は小学校から大学まで、すべての学年で男子より成績がよい。13歳と14歳(中学生)で作文や読解が熟達レベルに達している男子は4分の1にも満たないが、女子は41%が作文で、34%が読解で達している。2011年には男子生徒のSAT(大学進学適性試験)の成績は過去40年で最低だった。また、学校が渡す成績表の最低点の70%を男子生徒が占めていた。

 1997年に開始し2012年に終了した、若者を対象にした長期的な調査によると、女性の3人に1人が27歳までに学士号を取得しているのに対し、男性では4人に1人しかいない。2021年までには、アメリカでは学士号の58%、修士号の62%、博士号の54%が女性により取得されると予測されている。

 だが、これはアメリカだけの現象ではない。

 OECDの調査によると、先進国のすべてで男子は女子より成績が悪く、落第する生徒も多く、卒論試験の合格率も低い。スウェーデン、イタリア、ニュージーランド、ポーランドといった国々では、PISAテスト(15歳を対象とした国際学習度到達調査)の読解力部門で女子が男子をはるかに上回り、1学年から1学年半も先を行っているという結果が出た――これでは同い年の男女を同じクラスで教えるのは困難だろう。

 カナダとオーストラリアでは、すでに大卒者の60%が女性だ。イングランドでは大学の入学申込者は女子4人に対し男子は3人以下、ウェールズとスコットランドでは、女子の申し込みが男子より40%も上回り、恵まれない家庭ではこのギャップがよりいっそう大きくなっている。

男児が教育から脱落するのは女児とは発達の仕方が異なるから

 アメリカでは、男子はADHD(注意欠陥・多動性障害)の診断を受ける率が女子の2倍から3倍も高く、小学生のときからリタリンのような向精神薬を処方されている。ちなみにリタリンの分子構造は、アンフェタミン(覚醒剤)と酷似している。

 特別支援学級では生徒の3分の2が男子だが、これはIQの問題ではなく、男子がうまく勉強に向き合えないからだ。こうした男女間のギャップはマイノリティではさらに大きくなり、黒人の学生に授与された学士号のうち、男子は34%しか占めていない。同様に、ヒスパニック系でも男子は39%だ。

 その結果、2000年から2010年の間に、アメリカ人の10代で働いている者の割合は42%減少し、20歳から24歳では17%減少した。イギリスでは、15歳から24歳の失業率は21%だが、これはOECD加盟国の平均より5%ちかく高い。OECDの記録によれば、20代後半から30代前半の男性失業率の世界平均は1970年には2%だったが、2012年には9%と急上昇している。

 リーマンショック後の景気後退のため、アメリカでは男性の失業率が2008年1月から2009年6月の間に倍になった。女性被雇用者が圧倒的に多いヘルスケア産業は比較的影響を免れたが、被雇用者のほとんどが男性の製造業や建設業などでは650万人の職が消失したのだ。介護と訪問看護は今後もっとも急成長が望まれる分野だが、こういった職の大部分を女性が占めると予測されている。

 男児が教育から脱落していくのは、女児とは発達の仕方が異なるからだ。誰もが経験的に知っているように、幼い頃は女児のほうが成長が早く、言葉も先に覚える。

 アメリカの幼稚園は女児に合わせて学習プログラムが組まれているため、集中して本を読むことが苦手な男児は落ちこぼれてしまう。脳がまだ準備のできていない状態で何かを学ぶように強制されると無意識のうちに勉強が嫌いになり、早い段階で学ぶことに抵抗と怒りを覚え、たいていは学校嫌いになる。ミシガン大学の調査によると、1980年以降、学校を嫌いだという男児の数は71%も増加している。

 ジンバルドーは、全米ネット公共放送網(PBS)の論説「学校の何が悪いのか?」が、男児の苦境をうまく要約しているという。日本の現状にも参考になると思うので、紹介しておこう。

(1)学校教育が始まる年齢では、一般的に男児は女児に比べ身体的にはより活発だが、社会性や言語の面では未熟だ。男児は女児よりアクティブなので、長時間じっと座っていることが苦手だ(アメリカの小学校では、子どもたちが体を動かせる時間はほとんど消えてしまった)。

(2)今の子どもたちは幼稚園から読むことを習うが、まだ女児ほど言葉が巧み出ない男児は、成長発達学的にも、女児に比べ読む訓練を受けていない。

(3)平均して女児はもともと男児に比べ言語に強い。ところが小学校の授業の5分の4が言語をベースにしている。したがって、男児は読み書きが下手だと感じ、その自覚した欠陥は、彼らのネガティブな自己認識の一部になる。

(4)男児は体験型の学習を好むが、学校は実際には物を扱う機会を十分に提供していない。さらに学校の教材としては、男児の好きな漫画やSF(サイエンス・フィクション)などより、女児の好きな日記や一人称の物語の方が好まれる。

(5)男子教師は9人に1人未満(イギリスでは5人に1人未満)。小学校教諭に限るとほぼ全員が女性なので、学習を男らしい作業だと教えてくれるポジティブな男性のロールモデルはほとんどいない。高校ではこの状況はさらにひどくなる。

 このようにしてアメリカでは、膨大な数の男子生徒が高校をドロップアウトしていく。

 25歳以上の中退者の健康状態を調べると、収入に関係なく、卒業した生徒より不健康なことがわかっている。さらに中退者は罪を犯す率が高く、全国の死刑囚のなかに不均衡なほど大きな割合を占めている。

 高校の平均的中退者は、納めるべき税金の少なさ、高い犯罪率、社会保障への高い依存度その他を含めると、卒業した者に比べ、生涯で国の経済に一人あたり約24万ドル(約2500万円)もの負担増になるとの試算もある。

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<更年期>セルフチェックしてみよう – 読売新聞

 感じ方や表れ方が千差万別である更年期症状を、手軽に把握して適切な診療につなげるために、広く活用されているのがチェックリスト「簡略更年期指数(SMI)」。今回は、このリストを作成した小山嵩夫クリニック院長で、NPO法人更年期と加齢ヘルスケア理事長の小山嵩夫さんに使い方などについて聞いた。

tomoko46
Q.更年期症状を自分でチェックすることにどんな意味があるのですか? また、「チェックリスト」は、どう活用できるのでしょうか?

不定愁訴を総合的に判断する

  更年期の診療の場では、ホットフラッシュや肩こり、不眠、湿疹などの様々な症状に加え、「ボーっとして考えがまとまらない」「気力が落ちた」「のどがつっかえる」といった訴えもあります。それだけ感じ方や表れ方がバラバラで、同じ人でも日によって違った症状が出ることがあります。

 動悸どうきを感じて専門科を受診すれば、一般的には心電図、心エコーによる検査が行われます。その結果、異常が出なければ「神経質だから」で片づけられてしまいがちです。同様に、胃もたれ、めまい、血圧の上昇などが同時に起こると、それぞれ個別の検査を行うことになります。その分、費用はかかり、結果的に納得できる診断結果が出ないまま、さらに別の症状が起きてしまうこともあります。

 症状があいまいなため、複数の診療科を受診して、検査や治療に翻弄されている更年期世代の女性は少なくありません。日本では、各専門科の医療者が更年期の症状に詳しくないため、きちんと対応できていないことも背景にありますね。

 更年期症状は、いわば不定愁訴のかたまり。それぞれの不調は更年期症状全体における一部なので、心臓の症状、胃の症状と個別に対応しても改善しないことも多いので、トータルで把握して、治療やカウンセリングなどを行う必要があります。

hyou01-656智子:じゃあ、様々な更年期症状をトータルで把握するために、チェックリストがあるというわけですね。

 そうですね。不定愁訴を点数化して、客観的に捉えようというのが「更年期指数」、いわゆるチェックリストです。患者さんが「イライラが減ってきた」と言っても、別の症状がひどくなってしまっては考えもの。症状を全体的にとらえて点数化すれば、治療の効果なども把握しやすくなります。

 こうしたチェックリストは、古くからいくつかありました。しかし、海外のものは日本人の症状にそぐわなかったり、何十項目もの質問に答えるものは時間がかかりすぎたりしていました。

 そこで私は、今から20年ほど前に、東京医科歯科大学で診療し、蓄積した数百例のデータを基に、10項目による「簡略更年期指数(SMI)」を開発しました。

智子:10項目なら手軽です。ところで、項目ごとに点数が違うのですね。湿疹や胃もたれ、のどがつかえるなどの症状が入っていませんが。

 1~2分でできるように質問項目を絞り、エストロゲンに関係する自律神経(血管運動神経)系症状、日本人に多い精神的な症状、全身状態を表す運動機能の症状の3分野から10項目に絞り込みました。これまでの診療経験から、試行錯誤を繰り返した結果です。

 また、分かりやすいよう100点満点とし、項目ごとにウェートをつけました。実際の診療で役立つように、①エストロゲンの低下を反映させる②外来で簡単にチェックできる③点数の変化と症状の変化に相関がある――を重視しました。

 開発当時は「あの症状が入ってないじゃないか」など、厳しいご意見もありましたが、開発から20年以上たつ現在も、最もよく使われていることから、日本人の実態には合っているのだと思っています。

更年期障害の原因解明に!

智子:私も会社の先輩と一緒にチェックしてみました。すると、私は33点で、恵子先輩は51点だったそうです。この結果を、どう生かしたらいいのですか?

 50点以上になると日常生活に影響が出ているとみられますので、医師の診察を受けて、生活指導やカウンセリング、ホルモン補充療法などの薬物療法を検討したらいいと思います。

 更年期障害は、①エストロゲンの低下②職場の人間関係や家族の介護などの環境要因③本人の性格などの器質的要因――が合わさっていると考えられます。日常生活に支障があるとはいっても、すぐに薬物療法が必要とは限りません。まずは、訓練を積んだカウンセラーによるカウンセリングを活用して、抱えている問題を一つ一つ整理しながら、気持ちの持ち方や発想の転換の方法を一緒に考えるといった対応が効果的です。

 この年代の女性には、「夫が○○をしない」など、パートナーの態度にイライラが募るとの訴えが多くあります。でも、パートナーの性格は簡単には変わらないので、イライラした時に、自分自身が別のことを考える練習をすることで、症状の改善がみられることもあります。これも、重要な治療の一歩と言えるでしょう。こうしたカウンセリングを実施している医療機関がまだまだ少ないのが、今後の課題だと思います。

修正S-1QA更年期④自分でチェックR

 リストの質問に答えて合計が80点以上になった場合には、うつ病など精神科領域の病気との判別が必要です。更年期障害だけを診るのでなく、精神科や心療内科などの専門的な治療との連携が大切になるのです。ただし、エストロゲンの低下が主な原因の場合は、ホルモン補充療法を受ければケロッと症状がなくなるケースもよくありますので、早めに試してみるのも選択肢の一つだと思います。

 女性にとって、更年期は後半の人生のスタートです。動脈硬化や骨粗しょう症、肌の潤い不足などの容貌の変化も含めて、これからの長期的な健康を考え、健康寿命を延ばすためにも、早めに対応することがポイントです。

(本田麻由美)

漢方処方の不確実性をAIで解消する – 日経テクノロジーオンライン

山口大の浜本氏が「統計学を応用したAI」の取り組み語る

2017/09/22 08:30

伊藤 瑳恵=日経デジタルヘルス


 植物や動物、鉱物などの生薬を配合して作る漢方薬。全国に30万人いる医師のうち9割が処方しているといわれるほど一般的な存在となっている。2011年からは全国80大学の医学部全てにおいて、漢方医学の講義が行われるようにもなった。

山口大学 大学院創成科学研究科 教授の浜本義彦氏

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 しかし、大学の講義では漢方に関する基礎知識のみを学ぶため、「実際の処方は医師が現場で培った経験や勘に依存する場合が多い」と山口大学 大学院創成科学研究科 教授の浜本義彦氏は話す。医師の判断に委ねられることが多いため、漢方薬の処方は不確実性を伴うものであるというのだ。

 そこで浜本氏は、処方の不確実性を解消するために、統計学の考え方を実装したAIを活用して、漢方薬の処方をEBM(Evidence based Medicine)化する取り組みを進めている。同氏は分析機器・科学機器に関する総合展示会「JASIS 2017」(2017年9月6日~8日、幕張メッセ)のライフサイエンスイノベーションフォーラム2「次世代ヘルスケアを先導する共創のプラットフォーム」で講演を行った。

専門医の過去データで処方を数値化

 浜本氏が着目したのは、不確実性を伴う問題を数量化するという統計的パターン認識の考え方である。例えば、天気予報を例に考えると、「今日は雨が降る」という予報は不確実な情報にすぎない。この情報を「降水確率80%」という数値に表すことができれば、雨が降るという予報と降水確率を踏まえて「傘を持って行こう」と意思決定を行うことができる。これが統計的パターン認識による不確実性の対処法だと同氏は説明する。

 これを漢方薬の処方に応用すると、医師の経験や勘が不確実性を伴う部分となる。そこで、漢方専門医による処方の履歴データを用いて処方の妥当性を数値化する。例えば、患者が発熱と頭痛、鼻水の3つの症状を訴えたとする。専門医の処方履歴をデータ化しておけば、これら3つの症状が同時に起きたときにどの漢方を処方することが多いのかを妥当性として数値で表すことができ、最も妥当な漢方薬を探し出すことができる。

 医療の現場において、特に「個別化医療に関しては不確実性を伴う判断をする場面が多い」と浜本氏は語る。そのため同氏は、漢方薬の処方だけでなく、創薬における患者の層別化や肝がんの早期再発予測、早期胃がんのリンパ節転移予測、大腸がんの治療効果の予測などへも統計学の考え方を応用したAIを活用することを検討しているという。

 例えば、創薬における患者の層別化においては、「複数のバイオマーカーを使って薬の効果が見られるクラスとそうでないクラスに患者を識別するパターン認識問題として考えれば良い」と浜本氏は話す。新薬開発の成功確率を高めたり不要な薬剤を投与することを防いだりすることができる可能性もあるという。



富士通研究所とトロント大学、戦略的パートナーシップを締結 – 財経新聞

富士通研究所とトロント大学、戦略的パートナーシップを締結

プレスリリース発表元企業:Fujitsu Ltd

TOKYO, Sept 20, 2017 – ( JCN Newswire ) – 株式会社富士通研究所(注1)(以下、富士通研究所)とUniversity of Toronto(注2)(以下、トロント大学)は、新しいパートナーシップを締結し、富士通研究所は、量子コンピューティングを中核とする革新的コンピューティング技術の研究開発の強化のために、新たな研究拠点をトロントに設立します。

現在のコンピューティング技術では、医療、金融、物流、公共政策など様々な分野において、迅速な意志決定が要求されながら現実的な時間で解くことができない極めて複雑な問題が膨大に存在します。この課題に対して、コンピューティング技術の変革のみならず、これを社会に適用するためのソフトウェア開発の双方が必要になります。

今回の戦略的パートナーシップの締結により、両者がこれまで培ってきた技術を発展させ、実社会における解決が困難な問題を高速に解く量子コンピューティング技術の実用化を加速させます。今後、さらに革新的コンピューティング技術の研究開発に挑み、グローバルな社会、経済、産業などの課題解決に貢献していきます。

経緯

富士通研究所とトロント大学は、コンピューティング性能を向上させる研究分野で、18年間以上に及ぶ信頼関係を築いてきました。今回、先端的な研究成果の実証の場にふさわしいトロントにおいて、富士通研究所の研究拠点を構え、より一層緊密に協力することが双方にとって有益であるとの結論に至りました。今後は、それらの研究を発展させるとともに、量子コンピューティング分野を中核として、双方の世界的に優れた知見と研究開発力を融合して研究分野を拡大します。

1. 富士通研究所の強み
富士通研究所は、本格的なAI活用の時代を睨み、ソフトウェアのみならず、アーキテクチャーやハードウェアを含めた研究戦略の一環として、課題領域ごとに最適な性能を発揮するドメイン指向コンピューティング(注3)の研究に取り組んできました。現行の量子コンピュータを、諸問題に対する実用的な性能で超えるデジタルアニーラ (注4)を開発し、量子コンピューティングが必要とされる領域で、先端的な研究開発を世界的にリードしています。

2. トロント大学の強み
トロント大学は、その設立に係わったthe Centre for Quantum Information and Quantum Computing(CQIQC)や新設の独立したVector Institute for Artificial Intelligenceの研究機関で代表されるように、量子コンピューティングやAIの分野において国際的に認められた世界トップクラスの研究大学です。今年、トロント大学は、クアクアレリ・シモンズ社による世界大学ランキングにおいて、Computer Science & Information Systemsの分野で10位、Engineering and Technology分野で34位とされており、上海ランキングコンサルタント社による大学ランキングでもComputer Science & Engineering分野で13位に位置付けられています。トロント大学は、ヘルスケアやバイオ、金融、セキュリティの分野においても世界的な研究者を抱え、工業技術の実社会における応用にも積極的に取り組んでいます。

技術の背景

実社会には、これまで人間が行ってきた複雑な意志決定や、膨大な学習用入力データから最適な組を選ぶケースなど、現在のコンピューティング技術では実用的な時間で解くことができない問題が膨大に存在します。そして、様々な要因を考慮して最適解を導く場合の演算量は、要因の数に対して指数関数的に増大します。

例えば、最適な組み合わせを選択する問題では、要素の数が100個増えるだけで、組み合わせ数が1000兆の1000兆倍以上となるため、このような問題は現在のコンピュータが苦手としています。他方、投資ポートフォリオ、物流最適化、地球環境問題に立脚した産業政策の実施など、実社会の問題はさらに複雑な要素を含むだけでなく、迅速な最適解の発見が要求されており、これを実現する新しいコンピューティング技術の出現が望まれています。

共同研究の概要

富士通研究所とトロント大学は、まず両者が開発したデジタルアニーラ技術を発展させ、実社会の課題解決に幅広く適応できる規模と機能を拡張します。また、トロント大学で行っている高度な学術的研究を活かして、医療や金融領域などの実社会の問題に適用するための応用ソフトウェアを開発することで実用化を加速します。

今後、取り組むテーマの一つに、癌放射線治療での放射線量最適化があります。CT画像に基づき癌組織に充分な放射線を照射して正常組織への線量を安全なレベルに保つためには、膨大な最適化計算を行う必要があります。計算中は患者の体を固定する必要があるため、計算時間は数分以内に限定されます。この最適化計算を高精度で短時間に実行できれば、治療効果の向上と治療時間の短縮により、安全性を保ちつつ患者の負担を軽減できます。デジタルアニーラの拡張と応用ソフトウェアの開発により数分以内での計算が可能となり、放射線治療技術を変革することができると考えています。このような取り組みを進めることで、デジタルアニーラ技術を発展させ、実社会への適用を拡大します。

両者の研究員の密な連携はもとより、北米における革新的なコンピューティング技術の知のエコシステムを両者が核となって形成し、新しいICTビジネスの創出と社会・経済の発展に貢献して参ります。

株式会社富士通研究所 代表取締役社長 佐々木 繁のコメント

富士通研究所は、ICT分野における先端的な技術開発を常にリードしてきました。コンピューティングのみならず、医療、金融などの様々な分野で卓越的な研究成果を創出し優秀な人材が集まるトロント大学との共同研究を強化することは非常に大きな意義があります。量子コンピューティング技術のみならず、革新的なコンピューティング研究での成果を継続的に世に問うことで、我々の持つAIやクラウドなどの技術の価値がさらに高まり、ビジネスの拡大が可能になると考えています。これにより、富士通グループが掲げる人にやさしい豊かな社会の創造に向けたヒューマンセントリックイノベーションがさらに推進され、社会や経済の発展に貢献できるものと確信します。

University of Toronto 学長 Meric Gertlerのコメント

トロント大学は、今回の富士通研究所との提携をこの上なく光栄に思うとともに、我々の協力により数年のうちに成し遂げられるであろうすばらしい成果に期待しています。本日発表した戦略的パートナーシップは富士通研究所の新しい研究センターの設立とあわせて、我々の共同研究を強化し発展させてくれるでしょう。そして、実用的な量子コンピューティング技術の研究開発に対する我々の努力を加速し、21世紀における社会、経済、産業の幅広い分野の問題に挑戦する我々の大いなる助けとなることでしょう。

注釈
注1 株式会社富士通研究所:
本社 神奈川県川崎市、代表取締役社長 佐々木 繁。
注2 University of Toront:
所在地 Canada, Ontario州 Toronto市、学長 Meric S. Gertler。
注3 ドメイン指向コンピューティング:
特定のアプリケーション領域に適したハードウェア構成と処理の最適化により、コンピューティング性能を飛躍的に向上させるコンピューティング技術。
「大量画像から目的の画像を瞬時に検索する技術を開発」(2016年2月2日プレスリリース)
注4 デジタルアニーラ:
富士通研究所とトロント大学が共同で開発した、従来の半導体技術を用いて組合せ最適化問題を高速に解くことができる計算機アーキテクチャー。
「量子コンピュータを実用性で超える新アーキテクチャーを開発」(2016年10月20日プレスリリース)

本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2017/09/20.html

概要:富士通株式会社

詳細は http://jp.fujitsu.com/ をご覧ください。

本件に関するお問い合わせ
株式会社富士通研究所
コンピュータシステム研究所
電話 044-754-2931(直通)
メール ngcs_qc_press_mem@ml.labs.fujitsu.com

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他職種からの刺激がイノベーションにつながる 多摩大学大学院MBAコース – 株式会社CBnews (会員登録)

 平日の午後6時半。JR品川駅港南口から、駅直結の連絡通路を歩いて1分もかからない品川インターシティフロント5階のフロアの一室で、医療機関や介護施設のほか、一般企業での仕事を終えた10人弱の社会人の院生たちが、業界が抱える課題などについて意見を交わしていた。

 そこでは、多摩大学大学院の社会人向け経営学修士号(MBA)コースの授業が行われていた。2年間のMBAコースは、少人数クラス制を採用。MBA取得だけでなく、MBAコースをベースに専門性の高い知識を習得できるカリキュラムになっている。入学期は4月と9月の年2回だ。このMBAコースの売りの一つは、問題意識を持った異業種・他職種の人が、机を挟んで侃々諤々の議論を行い、新たな気付きを得る場になっていることだ。

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 この日は、4月に入学した院生を中心に、MBAコース2年目の院生がこれからまとめる修士論文・実践知論文の基本コンセプトを紹介した上で皆から意見を聞き、内容をブラッシュアップしようという試みをしていた。「医療専門職が地域に出るにはどのような仕組みが必要か」「論文でアンケートを実施しているが、サンプル数が少ないのではないか」など、遠慮のない意見が相次いだ。

 授業はその後、一人の院生による「今、自分が身を置いている介護業界の抱える課題の一つである高い離職率について」のプレゼンテーションに移った。それを基に、院生がそれぞれの意見を出し合い、課題解決につながるような糸口を導こうとしていた。さらに、ほかの院生からは、離職率を低下させた後、職員にはどのようなキャリアパスを構築できると提示すればいいのかなどという新たな課題も提起された。

 授業は3時間。しかし、授業が終わっても、院生たちはすぐには帰らない。授業中に興味深いアイデアを紹介した院生の机に駆け寄り、詳細を聞いたりして、自身の胸に落ちるまで話を続けていた。

 多摩大学大学院では、このような日常が2年間繰り返される。MBAコースのカリキュラムは多彩で、自分の関心のある分野を徹底的に突き詰めることもできるが、知性も磨ける独自のリベラルアーツ講座を選択し、視野を広げることも可能だ。

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■「国など“上”からの改革は限界、現場のイノベーションが必要」

 MBAコースで教鞭を執る講師陣の一人に、真野俊樹教授がいる。真野教授は、名古屋大学医学部を卒業、臨床医などとしてキャリアを積んだ後、米コーネル大学医学部研究員を経て、英国立レスター大学でMBAを取得。国の社会保障制度にも明るく、医療・介護業界に対して、マネジメントやイノベーションの視点で改革を提案している。

 真野教授は、今年9月から多摩大学大学院MBAコースの受講を考えている人に対して、このようなメッセージを送る。

 「イノベーションを起こすには、医療・介護業界の枠の中で考えるのではなく、異業種や他職種の人と議論をして、外部の人が何を考えているかを知る必要があります。ここで刺激を受けて、気付きを見つけるのが大事です。厚生労働省などは超高齢社会に向け、社会保障制度の見直しをしています。しかし、国など“上”からの改革には限界があります。ここに集まっている院生は医療・介護従事者だったり、周辺企業の経営者だったり、従業員だったりしますので、少しずつですが斬新なアイデアを出し合い、大きなうねりにしていければいいなと思っています」

 同大学大学院がMBAコースを開設して20年余り。すでに750人を超える人材が輩出している。真野教授が中心となり指導している医療・介護系のヘルスケアフィールドは、直接的に医療・介護業界に関与していない一般の人にも門戸を開いている。その一人が谷孝祐さんだ。谷さんは一昨年9月に入学し、今年が最終年度。現在、修士論文を仕上げる最終段階に入っている。谷さんは、同大学大学院のMBAコースのメリットの一つとして、外部から招聘する講師を挙げた。講師には、アカデミアだけではなく、実際に制度をつくっている行政担当者を招いたりしているからだ。

 谷さんは「真野先生の講義で、新聞や雑誌などから得られる情報以上のことが分かりました。社会保障制度などを担当している厚労省などの、制度を実際につくっている『リアル』な人がゲスト講師で来たりして、実際に何が起きているのかが見えてきました。金融やIT系の講義でも、表面的なことだけでなく、事実の背景などが分かったりしました」と話す。

 谷さんには問題意識として、日本人の 健康意識がもっと高まればいいのではないかという考えがある。谷さんは、「病気になってから病院に行くのではなく、未病なり健康増進なり、そういった方向に意識がいくようにしたいという大きなテーマがあります。私は大学で経営学を専攻していたので、そのテーマを、経営にひも付けるなら、やはり身をすり減らして働いて稼ぐのは、健康ではなくて病気に向かいやすくなります。私が目指しているのはその逆で、自分にストレスをなるべく掛けずに、かつ稼げるようなメンタリティーをどうしたらつくれるかです。心理学的なプログラムを組んで実践し、効果検証したものを論文にまとめようと思っています」と言う。

■今年4月入学の院生の思いはそれぞれ

湘南鎌倉総合病院・事務部次長
山下尚子さん

 「ここに来たのは20年前の自分と、これから20年後の自分を想像してみたときに、変化をしたかったからです。もちろんMBAを取得することも目的の一つです。病院という世界は、医師や看護師など専門職ばかりです。その中で、事務職として働いてきたのですが、身の置き場をはっきりさせるためにMBAを取得しようと考えています。病院の医師たちは応援してくれているので、プレッシャーにはなっていますが、頑張ろうと思っています。そして、私は事務職として病院の医療を、地域や社会によりスムーズにつなぎたいという思いがあるので、ここで勉強して実現させたいです」

済生会神奈川県病院・地域医療福祉センター医療福祉相談室長(ソーシャルワーカー)
鎌村誠司さん
 「ソーシャルワーカーとして勤務しているので、直接、経営に関する仕事はしていません。私がここに来たのは、経営の視点やマーケティングの発想などを習得したいと思ったからです。経営学は『問題解決の学問』だと聞いたことがあり、もともと興味がありました。多摩大学大学院に入学して3カ月が経ちますが、ビジョンやメッセージの打ち出し方などを勉強しています。今の職場では、地域医療福祉センターに所属しています。ここで多くを学んで、神奈川県病院を地域住民が自由に集える場にしたいです」

社会福祉法人合掌苑・営業統括部ブランディング推進室長
木村繁樹さん
 「私は介護の業界にいますが、ここには、医療・介護業界以外の人がいて、異業種との交流ができています。気付きはとても多いです。履修科目は、新たなチャレンジをしようと介護と関係ない分野を、あえて選びました。まったく関係ないと思いながら勉強していると、難解なことにも出くわしますが、今後、いろいろなことにつながっていくのではないのかなと考えています。MBAの取得を目指すことで経営をしっかり学び、介護業界に経営という視点を広めて、日本の介護業界の発展に貢献したいと思っています」

株式会社ティップネス・取締役執行役員
小宮克巳さん
 「正直なところ、MBA取得が目的ではありません。社員として働いた会社で2年前に今のポジションに就きました。これまで事業を立案し、実行してきた経験はありましたが、経営となるとまったく違います。ものすごく不安になりました。ここでは職務を遂行するために必要な知識を得て、理論補完しようと思っています。新たな人的なネットワークも得ています。ここにはMBAを目指している人や、ここで学んで起業をしようとしている人もいるので、とても刺激的です」

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