商工中金、不正融資巡る調査延長発表 「危機対応」以外も疑惑 – 日本経済新聞

 商工組合中央金庫(商工中金)は22日、政府の危機対応制度を巡る不正融資問題について、内部調査の完了時期を1カ月あまり延期すると発表した。調査の不備などで混乱が生じ、9月中に終了のメドが立たなくなった。すでに全支店の約9割で不正への関与が発覚し、危機対応以外でも不正の疑いのある案件が見つかった。常態化していた不正の構造が次第に明らかになってきた。

 この日は記者会見を見送り、発表文のみ。想定以上に内部調査が難航し詳細を明かせなかった。内部調査では不正行為に関わった職員が300人規模に上り、支店の数は国内100支店のうち約90店に及んだ。財務諸表の試算表を改ざんし、制度融資の対象に見せかける手口が中心だ。

 弁護士などの第三者委員会が点検したところ、内部調査の担当者の中にも不正に関与した職員が見つかり、やり直しや再調査が必要な案件が見つかった。

 問題化しそうなのが危機対応融資以外の業務で不正が疑われる案件だ。例えば企業のサポート業務。補助金の申請や経営力向上計画の作成などで取引先に代わって国への申請事務を請け負うサービスだ。取引先の意向に沿う計画書を作ったり、他の取引銀行が作った計画をあたかも商工中金がまとめたように社内で報告し、自分たちの実績としてカウントするなどしていた。

 税金の無駄遣いをチェックする会計検査院の検査を商工中金がすり抜けられるよう、報告する資料をすり替えるといった不適切な例も見つけた。

 業績を上げるため上司から指示や圧力があったのかなど、組織全体に不正が横行する動機の解明も道半ば。商工中金は追加調査を始めるものの、22日の発表では全取引を調査するかどうかは明らかにしなかった。

 徹底調査すれば1カ月の延期で済まなくなる可能性がある。政府関係者は「判明したところについて調査している」と明かし、全件調査には消極的な姿勢をのぞかせた。今後、悪質性が確認されれば国会でも商工中金への厳しい対応を求める声が強まる可能性がある。

商工中金 企業体質の甘さ露呈 不正融資の調査でお粗末な実態 – 産経 … – 産経ニュース

 不正融資問題を調査する職員が過去に不正に関与していたと22日に発表した商工中金。お粗末な内部調査の実態が発覚したことで、企業体質の甘さが改めて露呈したといえる。コーポレートガバナンス(企業統治)の欠如は明らかで、経営責任のみならず、安達健祐社長らOBを送り込んだ経済産業省の監督責任も問われることになる。

 「全容解明がしっかり行われるのを重視する。調査の完了時期は、多少の変動はあり得る」。世耕弘成経済産業相は22日の記者会見で、国の危機対応融資以外にも不正がある可能性が浮上したことについてこう述べ、商工中金に徹底した調査を求めた。

 政府が5割近い株式を持つ商工中金は小泉純一郎政権時代に民営化が決まり、その後、株式会社化された。しかし、リーマン・ショックや東日本大震災などで政府系金融機関の重要性が高まり、完全民営化が先送りされた経緯がある。

 今回、国の制度融資で不正を繰り返した上、それさえも隠そうとする隠(いん)蔽(ぺい)体質が露呈したことは、政府系金融機関の信頼を揺るがしかねない。先送りされた民営化議論が、再燃するのは必至だろう。

(飯田耕司)

経産相「全容解明を重視」 商工中金調査終了10月以降に – 日本経済新聞

 世耕弘成経済産業相は22日の閣議後の記者会見で、商工組合中央金庫(商工中金)の不正融資の調査について「全容解明がしっかり行われることを重視すべきだ」と述べた。商工中金は9月末をめざして不正融資の全件調査を進めているが、「新たな事案などがあった場合は調査が完了する時期の多少の変動はありえる」との認識を示した。

 商工中金は危機対応融資を巡る内部調査が続いている。同融資以外の業務でも不正の恐れがあると判断しており、調査終了は10月以降にずれ込む見通しだ。

商工中金、疑惑広がる – 日本経済新聞

 危機対応融資での不正を内部調査している商工組合中央金庫(商工中金)が、同融資以外の業務でも不正の恐れがあると判断していることが分かった。企業の国への補助金申請を支援する業務で財務内容などを改ざんしたり、同金庫への会計検査院の検査で書類を差し替えたりした疑い。これを受け追加調査に入ったため、終了は当初予定の月内から10月以降にずれ込む見通しだ。

 商工中金は今春、危機…

ゆうちょ銀行と地銀、対立の歴史終わるのか 各地で着実に深まる「協力関係」 – J-CASTニュース

   「郵貯の民業圧迫」を旗印に、これまで「国営」だったころから対立してきた地方銀行とゆうちょ銀行の距離が、じんわり、しかし着実に縮まっている。

   地方創生への取り組みやマイナス金利時の資金運用、フィンテックの活用、「お客様本位」の業務運営の確立と定着に行内の「働き方改革」への対応と、地銀が抱えている課題は少なくない。しかし、業界が毎年掲げてきた大きなテーマ「郵政民営化への対応」が2017年、はずれた。

  • ゆうちょ銀行と地銀、雪解けムード……

    ゆうちょ銀行と地銀、雪解けムード……

「建前」と「本音」の両にらみ

   全国64の地方銀行をまとめる、全国地方銀行協会の会長に、千葉銀行の佐久間英利頭取が就任した(任期1年)。5年ぶり、2度目の「登板」で、2017年6月14日には日銀記者クラブで就任会見が開かれた。

   その会見で、これまで会長の所信表明に毎回入っていた「郵政民営化への対応」が、今回ははずれていたのだ。

   2万4000を超える店舗網(郵便局)と、郵便・小包、保険商品とのワンストップでまかなえる顧客利便性のよさ、国の信用力を背景とした商品販売力で、民間銀行と比べて大きなアドバンテージをもつ、ゆうちょ銀行。さらに今夏は、個人向けの無担保融資が認可されるなど、じわじわと民業を浸食している。

   長年にわたり反目し、「民業圧迫」を訴え続けてきた地銀だが、その旗印を下したとも受け取られかねない発言が、佐久間会長からあった。

   郵政民営化にふれなかった佐久間会長に、記者が「今回(郵政民営化への対応が)はずれているのは、なにか背景があるのか」と質問。

   佐久間会長は「ゆうちょ銀行を抜き出していないが、政府系金融機関という中に含んでいるというふうにご理解をいただきたい」と答えた。

   佐久間会長はこの質問の前に、不正融資が問題になった、政府系金融機関の商工中金問題にふれていた。そこで、政府系金融機関は「民業補完」に徹するよう求め、「話し合いを持っていきたい」と強調していた。

   記者は質問を続ける。「これまで、完全民営化に向けた具体的な道筋の明示や、公正な競争条件の確保といった、ゆうちょ銀行に対する姿勢が軟化しているということか。あるいは優先順位が下がってきているということか」。

   佐久間会長は「(融資業務への進出などで、ゆうちょ銀行は)地方銀行と協調したいというような姿勢であると受けとめている。要求するところはこれまで通り。地方創生や地域活性化に向かって共同できるところは協力していくという姿勢で、両にらみしながら対応していく」と、なにやら玉虫色の発言に終始した

ゆうちょ銀行、出資攻勢で「大盤振る舞い」

   実際、ゆうちょ銀行と地銀の関係は、明らかに軟化している。

   顕著なのが、「共同」ファンドだ。金融庁がゆうちょ銀行に投資基金への出資を解禁したことに伴い、地方経済の活性化などを目的とした地銀のファンド(基金)などに、ゆうちょ銀行が出資するケースが相次いでいる。

   ゆうちょ銀行は2016年6月の熊本地震の復興支援ファンドをはじめ、同11月には北海道の北洋銀行と共同でファンドを立ち上げ、また肥後銀行と鹿児島銀行を傘下にもつ、九州フィナンシャルグループ(FG)が運営するファンドにも出資。さらに2017年4月には、日本産業推進機構(東京都港区)が16年10月に設立した「中部・北陸地域活性化投資事業有限責任組合」への出資を発表。このファンドには愛知県の中京銀行や愛知銀行、三重銀行などの地銀・第二地銀が出資している。この6月には、滋賀銀行と共同で企業支援ファンドを創設した。

   ファンドのほかにも、ATMで連携。ゆうちょ銀行が出資する日本ATMビジネスサービスに、ATMの運用や監視を委託する地銀が増えている。ゆうちょ銀行(郵便局)での「銀行代理店」(預金や融資の取次業務)を活用する動きも広がる可能性がある。佐久間会長も、「地方銀行の効率化、業務コストの削減につながる。合理的なことだと思うし、そういう動きも出てくるのではないか」と話し、ゆうちょ銀行との連携は個別銀行の問題と、意に介していないようすだ。

   ちなみに、現在のゆうちょ銀行の池田憲人社長は、2003年11月に経営破たんした足利銀行(栃木県、現めぶきフィナンシャルグループ傘下)の頭取として再建に奔走。それ以前は横浜銀行で常務・最高人事責任者(CPO)を務めた人物。地銀とのパイプは太い。

   少子高齢化による人口減少や産業空洞化の影響は、北海道や東北、中国・四国、九州と地方ほど早いペースで進行、かつ深刻度が増している。地域経済が沈没する前に手を打ちたい地銀に、ゆうちょ銀行の足音はひたひたと近づいてくる。

   「地域金融機関とは、今後あらゆる観点から一層協力したい」――。ゆうちょ銀行の池田憲人社長の言葉である。

商工中金 ここにも「忖度」 – 日本経済新聞

 商工組合中央金庫(商工中金)の不正融資問題が、日本の構造的問題を浮き彫りにしている。第三者委員会は4月、集団的な書類改ざんについて、現場が上層部の意向をくみ取り、空気に流された結果の「日本型不祥事の典型」と断罪した。上の意向を忖度(そんたく)する風潮が、政治の世界だけではなく企業の間にも根強く残っていることが明らかになった。とりわけ企業での不正行為は経営危機にも直結する。徹底した再発防止策の策定…