「1on1」とは?その意味とうまくいく6つの秘訣

1on1とは?聞いたことはあるけれど…というマネジャーが多いのでは?

「1on1」とは?

「1on1」とは?

最近話題になっているマネジメント手法に「1on1」があります。

「1on1」を直訳すれば「1対1」、つまり上司と部下が1対1で向き合い、話し合うことを「1on1」「1on1ミーティング」などと呼んでいるのです。ヤフー株式会社が2012年から上司と部下が毎週1回、30分間行っていることでも注目されました。

この「1on1」、面談や面接、メンター制度と一体何が違うのでしょうか?

取り組む意味・目的は何でしょうか?

そして、取り組む際に上司として心掛けるポイントとは?

「1on1」は面談やメンター制度と何が違うの?

面談
面談の場合、部下・後輩に対し、先輩・上司がアドバイスや評価をする場、と捉えられることが多いですよね。「人事考課面談」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。頻度は四半期や半期に一度程度、一度に多くのメンバーと話す必要があるため、所用時間は15分程度、というケースが多いのではないでしょうか。

■メンター制度
メンター制度は、「メンティー」(若手や新人など)に「メンター」(先輩社員や管理職)がつき、指導や成長支援をするための仕組みです。基本は「1対1」ですが、メンティー1人に対してメンターが複数つくこともあります。コミュニケーションの頻度や所要時間は様々で、メンター制度に熱心な組織であれば毎週まとまった時間をとり、形骸化している組織では面談同様に半期に一度程度…、ということもあります。

■1on1

「1on1」の場合、上司一人・部下一人が向き合います。時間は30分程度で、頻度高く実施することがポイントです。

上司が部下を一方的に評価したり、アドバイスしたりするのではなく(時にそれは上司の自慢話やエゴにもなりがちです)、部下の成長を加速するための時間、ということも重要です。

つまり、「1on1」の目的はあくまでも部下の成長なのです。実施頻度はケースバイケースではありますが、できれば毎週30分程度、少なくとも月に合計60分程度はコミュニケーションを取っておきたいところです。

次は、実際のやり方と注意点です。

 

実際に「1on1」をやってみよう!…実施する際の注意点

「1on1」のやり方

「1on1」のやり方

私たちの会社でも、1on1に近いスタイルで会話をする時間を大事にしています。その際、心掛けているポイントが6つあります。

1)最初に目的を説明する

上司であるあなたは「1on1」の目的や効果を知っていても、一緒に取り組む部下はまだ知らない…ということも多いはず。最初の切り出し方に悩む、という方もいるでしょう。

あなた自身のマネジメントスキルの向上、という意味合いもありますが、それ以上に「1on1」が部下の成長につながることが大切。「あなたの課題を解決し、前向きな未来のために一緒に取り組みたい」と話せるといいですね。「課題」という言葉が強すぎる場合は「悩みごと」「成長のために乗り越える必要のある壁」など、捉えやすい言葉でもOKです。

また、大切なのは「上司であるあなた自身も試行錯誤中」だと打ち明けておくこと。上司も万能ではありません。お互いに「1on1」の機会そのものを磨き上げたい、ということも照れずに伝えましょう。

2)あらかじめ、日程を少し先まで取っておく


「よし、今日から1on1だ!」と気合いを入れたいところですが、部下は目的がわかっていなかったり、心の準備ができていなかったりすることもあります。1回で目覚ましい成長を追うのではなく、数回・数十回を経て成長を目指す、という心構えで臨みましょう。そのためにも、数か月先までの予定を見ながら「1on1」のスケジュールを確保することから始めます。

「この時期は、どうやら彼は忙しいな、だからこそ1on1を入れよう(ORやめておこう)」

「この商談の後に振り返ることで大きな気づきがありそうだ」

「自分の1on1の進め方についても、このあたりで振り返っておきたい」

など、その時期だからこその役割も見えてくるはずです。

3)お互いに話しやすい雰囲気を作る


「1on1」に慣れるまでは、お互いに少々緊張することも。話しやすい雰囲気を作ることに気を配りましょう。初回は目線が合うと威圧的になってしまうので横並びに座ってみる、オフィスではない場所(近くのカフェなど)で実施する、なども有効です。オフィス以外の場所を設定する場合、意図を伝えないと部下が「何か思惑があるのでは」と不安に思うことも。事前に狙いを伝えておくとよいですね。

回数を重ね、具体的なテーマが見えてきた時期には、向かい合って座り、机の中心にノートや紙を置いてメモや図を書きながら話すと、会話が散漫にならずに済みます。

4)まずは“成長”以外のテーマも含めて広く話す


「1on1」は部下の成長を支援するための仕組みですが、いきなり「成長するためには何をすればいいと思う?」と聞かれても、部下も戸惑ってしまいますよね。

「1on1」を始めたばかりの時期は「成長」にこだわらず、今悩んでいることや取り組みたいことについて幅広く話してみましょう。

なかには仕事(ワーク)の悩みの裏側に、私生活(ライフ)の悩みが隠れていることも。今の職場において、ワークとライフを完全に切り離すことはできないでしょう。ライフの悩みもワークでの成長につながるようであれば、どんどん話してみましょう。

5)その日に話したいテーマを決める(ことを促す)

様々なテーマがテーブルに出たタイミングで、部下がその日の「1on1」で話したいテーマを決めるようにうながしましょう。

「上司(であるあなた)は、きっとこのテーマを取り扱ってほしいに違いない…」

「このテーマを選んで、評価に響かないだろうか」

「どのテーマも取り扱いたくて、優先順位に迷う」

など、部下もいろいろな思いを抱くはず。

あなたの何気ない一言で、取り扱いたくないテーマを選んでしまうこともあります。ここはぐっと黙って、部下が選ぶまで待ちましょう。

ちなみに私もこの「待つ」がとても苦手です。 先回りして考え、結果として部下が扱いたいテーマとは違うものを選ばせてしまったことも(この時は、あとでこっそり部下がフィードバックしてくれました)。思った以上に「待つ」時間は長く感じるもの。それでもぐっと我慢してくださいね。

仕事からちょっと外れたテーマを希望することもあるでしょう。この場合、部下が話したいことのうち、どこかで仕事につながるポイントはないか、一緒に探しながらテーマを選定しましょう。

上司が選んだのではなく、あくまで自分が主体的にテーマを選んだ、という意識が成長意欲を刺激します。「何を選んだか」ということ以上に、「どのような思考プロセスで選んだか」が大切なのです。

6)最後の5分で「振り返り」をする

「1on1」の最後には振り返りを

「1on1」の最後には振り返りを

「1on1」は必ずうまくいく、というものではありません。時には「雑談だけで終わってしまった」「第1回は開催したけれど第2回以降が続かなかった」などの壁にぶつかることもあります。

それを防ぐために、必ず「1on1」の最後5分で「今日はどうだった?」とお互いに(上司も部下も)振り返る時間を持ちましょう。確認したい項目には以下です。

・今日(この時間に)話したことは何だったか

…「最初に、最近の仕事でうまくいったことを洗い出したね」

「その次に、もう少しできたかもしれないということも話したね」…など

・話をしてみて、どう感じたか

「一通り話をして、今どんなふうに感じている?」

「もうすぐ終わるけれど、始める前と今ではどんな(感情の)違いがある?」…など

・雰囲気づくりや日時設定は適切だったか

「今日は外のカフェでやってみたけれど、どうだった?」

「今回は水曜日のランチに設定したけれど、今後はどうするとよいかな?」…など

・次回話したいテーマはどのようなものか

「次回はどんなことを取り扱いたい?」

「次回までにお互いどんなことを準備しておくとよいだろうか」…など

いかがでしたか?

「1on1」は特別でオールマイティーな仕組みではなく、部下との間やチーム内のコミュニケーションを円滑にしていくなかで、お互いに成長するための機会です。上手に使い、部下との関係性の質を高めることで、強いチームを作っていきましょう!

「ついていきたい」と思われるリーダーの5つの特徴

1000社のヒアリングから見つけた「部下を辞めさせないリーダー」の5つの特徴

部下とのコミュニケーション取れていますか?

部下とのコミュニケーション取れていますか?

「せっかく採用した人材なのに、半年で辞めてしまった」
「最近メンバーがつまらなそうに仕事をしていて気になっている」
こんな悩みを抱えているリーダーの方、多いのではないでしょうか。

以前に比べると、人材の流動性は高まり、転職することも当たり前になってきました。少子化の影響もあり、優秀な人材の市場での価値は高まるばかりです。また、価値観や働き方への希望、仕事を通じて実現したい未来の姿も多様化しているのが最近の若手です。

とすると、リーダーが「自分が教えられたのと同じように教えれば成長するはずだ」と指導すると、「リーダーのマネジメントスタイルと合わない」「ここでは成長できない気がする」と退職につながることがあります。

では、メンバーを辞めさせないために、リーダーはどのように意識や行動を変えるとよいのでしょうか。

私は働き方変革を支援するコンサルティング会社を創業して以来、1000社以上、工場のライン長から社長まで、様々なリーダーの話をうかがう機会がありました。

その中で、メンバーを辞めさせないリーダーには「5つの特徴」があることに気づきました。

優れたリーダーに共通する5つの特徴

その5つの特徴とは

1. 部下と中長期の目標・キャリアについて話している

2. 部下と自分の違いを把握し、混同しない

3. 部下をよく観察している

4. 部下を認めている

5. 部下に適切に頼っている


の5つです。それぞれ詳しく見ていきましょう!

1. 部下と中長期の目標・キャリアについて話している

部下の中長期の目標を知っていますか?

部下の中長期の目標を知っていますか?

突然ですが、あなたはなんのために働いていますか?「お金のため」「家族のため」「自己実現」「社会貢献」……、様々な答えが返ってくるでしょう。

では、あなたの部下(ここではメンバーと表現します)はどうでしょうか。メンバーが働くことを通じて何を得たいのか、ということをリーダーが知らないケースも多くあります。

リーダーとメンバーの間で「なんのために」という目的に関する相互理解がないと、「仕事を通じて社会貢献をしたい」と思っているメンバーと、「あいつはお金のために働いているのだから、給料を上げれば満足するだろう」と思っているリーダーとの間で、いずれ話がかみ合わなくなります。

そこで、まずは仕事・キャリア・働き方・暮らし方・生き方……、様々なシーンについて、メンバーがどのようにとらえているのか、リーダーのとらえ方との違いを整理することをお勧めします。ここでは、

  • 「3~5年後の目標から話す」など時間軸で整理する
  • 得意な仕事や思考の特性を分析する(後からツールを紹介します)
  • 仕事から離れ、興味をもった新聞記事や流行などから関心を探る

といったスタイルがあります。

中長期の目標やキャリアは、現時点のものと地続きになっていることもあれば、まったく別のところに目指す星があることも。リーダーであるあなたがメンバーよりも柔軟な思考を持っているか、確認しながら進めましょう。

2. メンバーと自分の違いを把握し、混同しない

メンバーの発言や行動を見て、
「どうしてそんな判断をしたのか理解できない…」
「私だったら違う方法を取ったのに」
と感じることはありませんか。

そんな時に思い出していただきたいのは、“あなたとメンバーは違う人間だ”ということ。あなたが話上手だからといって、メンバーも同じとは限りません。あなたが「営業は数字だ!」と思っていても、メンバーも同じようにとらえているわけはないのです。

「自分とメンバーは違う」ことを前提に、違いを把握し、各メンバーに合った接し方を身につけましょう。

ここでは、

  • コーチングの「4つのコミュニケーションタイプ分け」(支配したい「コントローラー」・影響を与えたい「プロモーター」・支援したい「サポーター」・じっくり分析したい「アナライザー」に分類する)
  • ストレングスファインダー/MBTI(能力や特性を理解する)

などのツールがあります。

大切なのは、個人の心地良さを考えると同時に、全体になったときに「組織として強いかどうか」という視点を忘れずに持っておくこと。

たとえば、上記の「サポーター」タイプだけが集まっていると、居心地はよいのですが、決断力や盛り上げ力が足りず、物事が前に進まないことも。リーダーであるあなたは組織全体のバランスを見ながら、組み合わせを考えることが重要です。

また、「能力や特性そのものに優劣はない」ことも理解しておきましょう。あなたの特性から見ると物足りなさがあったり、行き過ぎるところがあったりするかもしれませんが、メンバーの特性がいきるシーンは必ずあります。

あなたの特性とメンバーの特性を同一化せず、お互いの違いを有効活用することをゴールに、活かし方について話し合ってみましょう。