メガネやコンタクトレンズの費用は医療費控除の対象?

眼鏡やコンタクトレンズに医療費控除が適用される条件は

1年間(1月1日~12月31日)に医療費を多く支払った人は、医療費控除の確定申告をすることで、納める所得税を減らせる(所得控除できる)可能性があります。

眼鏡やコンタクトレンズは費用がかさむだけに、医療費控除の対象になると助かるけれど……

眼鏡やコンタクトレンズは費用がかさむだけに、医療費控除の対象になると助かるけれど……

使った費用が医療費控除の対象になるのかどうか知りたい方は、「医療費控除の対象になるの?ならないの?」や「歯の矯正やインプラントは医療費控除の対象?」で多くの事例を取り上げているのであわせてご覧ください。今回はさらに、眼に関する費用についてまとめてみました。

日常生活で使う眼鏡やコンタクトレンズは、医療費控除の対象外

眼鏡やコンタクトレンズの費用は、「遠視や近視などで日常生活を送るのに必要だから買う」のなら医療費控除の対象になりません。ただし、視力を回復させるために医師による治療を必要とする場合なら、医療費控除の対象になる可能性はあります。

例えば、幼児で視力がまだ発達しておらず、視力を上げるためには眼鏡が必要と医師に指示されて購入するような場合。医師による治療の一環として直接必要な費用なので、医療費控除の対象になります。

他に斜視や白内障、緑内障などの治療で、手術後の眼の機能回復に必要な眼鏡の購入費用なども、医療費控除の対象になります。

眼鏡のフレーム部分についても、プラスチックやチタンなどフレームの材料として一般的に使われているものを使用していれば、医療費控除の対象になります。ただし、プラスチックのフレームでも、そこに装飾のダイヤモンドが付いていたら、その費用は対象にはならなさそうです。

※弱視で治療のために必要、と医師から指示されて眼鏡を購入した場合、その費用には保険が適用されることもあります。保険適用の詳細については、加入している健康保険組合などに確認して下さい。

特殊な治療に使うコンタクトレンズ代なら対象となることも

オルソケラトロジー治療(角膜矯正療法)とは、近視などの角膜の屈折異常を特殊なコンタクトレンズを装用することにより、屈折率を正常化させて視力の回復をさせるものです。

この治療も、眼の機能それ自体を医学的な方法で正常な状態に回復させるものです。それにかかる特殊なコンタクトレンズの購入費用等は、医師の診療または治療の対価と認められ、医療費控除の対象になります。

レーシックの手術費用は医療費控除の対象

レーシック手術とは視力を回復するためのレーザー手術のことで、角膜にレーザーを照射して近視や乱視などを治療し、視力を矯正します。この手術は美容整形ではなく、眼の機能そのものを医学的な方法で正常な状態へ回復させる治療であり、医療費控除の対象となります。

医療費控除の対象になるかどうか判断できない時や、申請方法などでわからないことがあった時は、提出先の税務署に遠慮することなく聞いてみて下さい。親切に教えてくれますよ!

▼いざ確定申告! 医療費控除の段取りはこちら

書類の入手方法>>医療費控除の申請書はどこで入手できる?

手書きで作成するなら>>医療費控除の申告方法と明細書の書き方

PCで作成するなら>>国税庁「確定申告書等作成コーナー」
提出期限など>>還付金をもらうにはいつまでにどこに行けばいい?

2017年分から医療費控除の書類が変更、何を提出する?

医療費控除に必要な書類が2017年分から変更!どう変わる?

医療費控除の申告については毎年毎年、確定申告時に質問項目の多いひとつです。たとえば「医療費控除の対象って通院や入院のほかに風邪薬も対象になるって聞いたのだけれど?」とか、「年間合計10万円いかなくても医療費控除が受けられるって聞いたのだけれど?」とか、「電車やバスを利用したときって領収書残らないんだけどどうしたらいい?」というようなものです。

平成29年分確定申告(平成30年3月期申告)から医療費控除に関する添付書類が大幅に改正になりました。一言でとりまとめると、医療費控除を受ける際に従来からの領収書ではなく、明細書が必要となったということになります。以下、ポイントをとりまとめましたのでおさえておきましょう。

医療費控除を受ける際に領収書ではなく、明細書が必要に

国税庁から発表されているパンフレットによると、

  • 医療を受けた人別に
  • 病院・薬局ごとに医療費を集計し
  • 合計額を転記する

という3点がポイントになってきます。

H29年以降の医療費控除明細書の記載例(出典:国税庁資料より)

H29年以降の医療費控除明細書の記載例(出典:国税庁資料より)

上記、記載例からは

  • 国税太郎さんが■■病院で支払った診療費を合計
  • 国税太郎さんが▲▲薬局で支払った医薬品を合計
  • 国税花子さんが○○診療所で支払った診療費・医薬品を合計

していることが読み取れるでしょう。

医療費控除の明細書のフォーマットが大幅変更に

医療費控除の明細書のフォーマットが大幅変更になりました。従来の医療費の明細書と比較すると、治療内容・医薬品などを記入していた箇所がなくなり、

  • □診療・治療
  • □介護保険サービス
  • □医薬品購入
  • □その他の医療費

という4区分を設け、チェックマークを付すということに変更になったことです。

H29年以降の医療費控除の添付書類(出典:国税庁資料より)

H29年以降の医療費控除の添付書類(出典:国税庁資料より)

一方で医療を受けた人の続柄や病院・薬局などの所在地を記載することはなくなりました。

健康保険組合等が発行する「医療費のお知らせ」が、明細書代わりに

おおむね、医療費控除の明細書(従来の書式は医療費の明細)に転記する前の集計作業がやや煩雑になったということは言えるのかもしれません。

ただし、それらを解消する税制改正も同時になされています。それは健康保険組合等が発行してくる「医療費のお知らせ」が、明細書代わりに利用できることです。

この「医療費のお知らせ」は平成28年分以前の医療費控除の添付書類としては認められておらず、領収書代わりにはなりませんでした。ところが平成29年分の確定申告から健康保険組合から送られてきた「医療費通知書」(医療費のお知らせ)は、医療保険者が医療費の額を通知する書類に該当することになったことがタックスアンサーに明記されたほか、「医療費通知書」を添付すると、医療費控除の明細書への記入が省略できるのです。

反対からみれば、「医療費通知書」(医療費のお知らせ)を紛失してしまったものだけ、医療費控除の明細書へ記入すれば済むことになります。

従来からある医療費控除の手続きに慣れてしまっているのだけれど

そうは言っても、従来からある医療費控除の手続きに慣れてしまっているのだけれどという人も多いのではないでしょうか。あるいは「医療費通知書」(医療費のお知らせ)を破棄してしまっている人もいるかもしれません。

したがって、このような改正が周知されるまでの一定期間、「従来からある医療費控除の手続きでもかまわない」という経過措置期間があります。この経過措置期間は平成29年分から平成31年分(平成30年3月期確定申告から平成32年3月期確定申告)までです。

この期間に徐々に領収書から明細書添付への確定申告手続きに慣れていきましょう。

セルフメディケーション税制の明細書も発表に

また、同様に平成29年分確定申告(平成30年3月期申告)から開始されるセルフメディケーション税制の明細書も発表されています。これは、上記の通常の医療費控除と選択性、つまり、どちらかを選択して適用することとされていますので、通常の医療費控除に代えてセルフメディケーション医療費控除を活用して確定申告する場合には、コチラの明細書を添付することとなります。

セルフメディケーション税制の明細書(出典:国税庁資料より)

セルフメディケーション税制の明細書(出典:国税庁資料より)

平成29年分確定申告(平成30年3月期申告)からの医療費控除の確定申告実務は大きく様変わりします。資料の集計段階から注意しておきたいものです。

パート・アルバイトの掛け持ちで確定申告は必要?

副業や仕事の掛け持ちをする人は確定申告が必要

副業やダブルワーク、掛け持ちで収入を得ている人は注意!

副業やダブルワーク、掛け持ちで収入を得ている人は注意!

国税庁が毎年発表している民間給与の実態統計調査によると、平均給与金額は平成16年に438.8万円だったものが、平成27年には420万円。近年やや持ち直しているもののここ10年でみると下落傾向にあることがわかります。

さまざまな事情で本業のほかにアルバイトをしている人や、アルバイトやパートを掛け持ちしている人がいるのも事実でしょう。この場合、確定申告が必要です。なぜ確定申告が必要なのか、理由を順序立ててご説明します。

勤務先や収入源が2つ以上ある場合、税額はどう決まる?

まず、税法上、個人の儲けに課される税金のことは所得税法で取り決められています。所得税法においては、役員、正社員、非正規雇用、アルバイト、パートといった就業形態にとらわれず、「給与所得」という区分において所得を計算することになります。業務形態によらず一律に「給与所得者」という取り扱いを受けるということです。

所得を計算する際の大原則は以下の2点です。

・年収ベースで計算すること

・計算期間は1月1日から12月31日までとすること

したがって、正社員としての給与600万円のほかに、友人が経営している会社から役員給与200万円をもらっているという場合には、「600万円+200万円=800万円」を年収として所得を計算することになります。アパレル店の店員と居酒屋のアルバイトを掛け持ちという場合には、その両者を合計した年収で所得を計算することとなります。

年末調整をしてもらえるのはメインの勤務先のみ

一方で、給与の受給先が1カ所で雑損控除医療費控除寄附金控除の適用がない人や、住宅ローン控除の初年適用がない給与所得者なら、確定申告を提出する必要はありません。年末調整を受けることによって税金の計算が完了します。

しかし、給与の受給先が複数ある場合には、年末調整を受けられるのはメインで勤務していた会社に限られます。

たとえば、正社員としての給与600万円のほかに友人が経営する会社から役員給与200万円をもらっている場合、600万円の給与を受け取っている主たる会社では年末調整を受けることができます。しかし、友人が経営している会社から支給される給与は従たる給与ということになり、年末調整を受けることができません。

なぜなら、その人の年収は600万円でも200万円でもなく800万円。主たる給与だけでは、正しい税金は計算できず、主たる給与の分だけ年末調整を受けておいておき、その上で確定申告、というのが所得税法上の流れになっているからです。

これはアルバイトやパートを掛け持ちしている場合も同様です。メインにしているアルバイト先では年末調整を受けることができますが、それ以外のアルバイト先では年末調整を受けることができません。

上記のような人たちの手元には、年末調整が終わると、

・年末調整されている源泉徴収票

・年末調整されていない源泉徴収票

といったように2つ以上の源泉徴収票が受給者本人に発行されることになります。

勤務先によって税金の天引き額が違うってホント?

年末調整のほかにも注意点があります。メインの勤務先とその他の勤務先では、税金の天引き額が異なってくるのです。

給与計算が月額支給の場合、メインの勤務先であれば、社会保険料控除後の給与金額が8万8000円未満だと所得税を天引きしなくていいことになっています。しかし、それ以外の勤務先では、社会保険料控除後の給与金額が8万8000円未満でも、社会保険料控除後の給与金額の3.063%分の所得税を天引きしないといけないのです。

前者を甲欄適用、後者を乙欄適用といって、8万8000円未満ならメインの勤務先からは所得税の天引き額をがなされないのに、それ以外の勤務先では所得税の天引きをしなくてはならないこととされているのです。

月額給与の源泉徴収税額表抜粋(出典:国税庁資料より)

月額給与の源泉徴収税額表抜粋(出典:国税庁資料より

結局、確定申告は必要? しないとどうなる?

冒頭で述べたように、所得税の大原則のひとつに「年収で計算する」ということがあります。そのため、

・年末調整されている源泉徴収票

・年末調整されていない源泉徴収票

をそのまま放置しておく、つまり、確定申告しないというのは所得税の規定に違反することになります。

たとえば、年収ベースで60万円、40万円、35万円のアルバイトを掛け持ちしているケースだと、1社だけなら所得税も住民税も課されないのですが、3社合計すると135万円の年収となるので、所得税のみならず住民税においても課税される可能性がでてきます。年収で計算するのが原則なのに、放置をしておいたほうが有利に働くというのは課税の公平に反することになります。

確定申告しなければ会社にバレないのではないか」というのも、残念ながら、正しい情報とはいえません。勤務先は本人に手渡した源泉徴収票と同じ記載内容のものを、給与支払報告書という様式で、在住の市区町村に送っています。このようなケースでは、その人の年収が135万円であることを市区町村の住民税を計算する人は知っていて、当然、年収135万円を基準に住民税課税がなされます。

2カ所から給与の支払いを受けている人で、主たる給与収入金額が20万円以下の人は確定申告する必要がない、という例外規定はあります。しかし、正社員とアルバイトを兼ねている場合、あるいは、アルバイトやパートを掛け持ちしている場合には、就業形態によらず、すべての源泉徴収票を取り寄せて確定申告。これが確定申告における決まりであることを理解しておきましょう。

マイナンバーが施行されるとさらにバレやすくなる?

マイナンバーが施行される平成28年以後は、税務署等に提出される申告書や源泉徴収票、支払調書といった税務関係書類にマイナンバーが記載されることとなり、いままで以上に収入の把握が向上するでしょう。

マイナンバー施行後に影響を受ける税務書類の種類の代表例は以下のとおりです。

  • 確定申告書等を提出される納税者本人
  • 確定申告書等に記載された所得税の控除対象となる配偶者及び扶養親族
  • 源泉徴収票の交付を受ける本人
  • 源泉徴収票に記載される控除対象配偶者や扶養親族
  • 支払調書の対象となる金銭等の支払等を受ける方

などです。

つまり、確定申告を提出する人や給与の支払いを受けている人のみならず控除対象配偶者や扶養親族のマイナンバーの情報も税務署や市区町村が入手できることとなります。

(受給者に交付される源泉徴収票にはマイナンバーの記載はありません)

確定申告さえしなければバイトやパートがバレにくくなるのではないかという可能性はマイナンバー施行後、さらに低くなったと考えるべきです。


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サラリーマンでもこんな時、確定申告が必要

サラリーマンでも確定申告すれば税金が戻る?

サラリーマンでも確定申告をすれば、税金が還付される場合があります。しっかりと還付申告をしましょう

サラリーマンでも確定申告をすれば、税金が還付される場合があります。しっかりと還付申告をしましょう

確定申告と聞いて、ピンとくるサラリーマンは少ないでしょう。会社員などでお給料を貰っていると、税金は自動的に天引きされますし、会社で年末調整を行ってくれるためです。

しかし通常は確定申告に縁のないサラリーマンでも、マイホームを購入した、結婚したなど、生活に変化があった時には税金の計算方法も変わり、申告が必要なケースも出てきます。今回はサラリーマンの生活環境が変わった際に必要となる確定申告について紹介します。



 

払いすぎた税金を取り戻す「還付申告」

その前に少しおさらいです。「確定申告」とは、一年間の個人の所得に対して所得を申告し、所得税を決めるものです。ですので、一般的に「確定申告が必要な人」には、個人で事業をしている人、マンションなどを貸して不動産収入がある人などが該当します。

また、会社員の方でも、給料が2000万円を超える人や、給料や退職金以外の所得が20万円超ある人なども確定申告をする必要があります。

一方、払い過ぎた税金を還付してもらう手続きもあります。会社員などで、お給料から天引きされていた税金が払いすぎていた時、税金を還付してもらうための申告です。自分でこの申告をしないと税金は戻ってきません。確定申告の中でもこの税金を取り戻す手続きを「還付申告」といいます。

覚えておきたいのが、「還付申告」は1年中いつでもできるということ。確定申告の申告時期は原則2月16日~3月15日となっていますが、還付申告はそれ以前でも以後でもOKなのです。なので、確定申告で混雑する前に還付申告したほうがいいかもしれません。

【参考】確定申告の時期、2017年はいつからいつまで?

また、5年間さかのぼって申告できる点も押さえておきましょう。過去に申告をし忘れても5年間なら税金を取り戻せるということです。

年末の結婚で配偶者控除や配偶者特別控除を受けられないか確認

会社員などの給与所得者が年末に結婚した場合も、条件を満たせば税金が戻ってきます。下の条件にあてはまる人は、還付申告をしましょう。

・「配偶者控除」または「配偶者特別控除」を受けることができる配偶者がいる(配偶者が無収入または、給与収入のみで年収141万円未満など)

年末調整で配偶者控除の届出をしていない

平成23年分から一般の16歳未満の子どもに対する扶養控除は廃止されました。ただし、16歳以上に対する扶養控除は残っています。扶養控除を受けることができる扶養親族(16歳以上の親族で、生計を共にする所得が38万円以下)がおり、年末調整で扶養控除の届出をしていないような人も還付申告をすることができます。

なお、年齢は年末時点で考えます。平成29年分の確定申告は、平成29年の12月31日時点での年齢ということです。

【参考】年末調整後の入籍や出産で扶養する家族が増えたら?

子どもの誕生で医療費控除を受けられないか確認

医療費控除
医療費控除は検診など通院にかかった電車代なども医療費として認められるので、かかった費用をしっかりとメモしておきたい

平成22年度までは年少扶養控除(0歳~15歳)が廃止される前だったので、赤ちゃんでも扶養控除を受けることができました。しかし23年度からは子ども手当(現:児童手当)の関係で扶養控除は受けることができません。出産と扶養控除は関係がなくなりました。

ただし、医療費控除を受けられる可能性があります。医療費控除とは本人あるいは家族のために医療費を支払った場合に一定金額の所得控除を受けることをいいます。下記の条件に当てはまる人は、還付申告しましょう。

・1年間の医療費の合計(出産育児一時金などは差し引く)が10万円を超えたとき

・場合によっては10万円以下でも医療費控除を受けられる

【参考】医療費控除の申告方法と明細書の書き方

対象となる医療費は、1年間でかかった定期健診や検査などの費用、出産費用また通院にかかった交通費などです。もちろん、出産以外の通院なども合算してください。なお健康保険組合などから支給された出産育児一時金などは、かかった医療費から差し引かなくてはいけません。

【参考】出産における医療費控除の対象

マイホーム購入1年目は住宅ローン控除を受けるために確定申告を

マイホーム
マイホーム購入者にとって、住宅ローン控除は助かる制度。1年目の申請は確定申告で行うので、忘れずに税務署へ

住宅ローンを使ってマイホームを購入したり増改築をしたりした時、一定の要件を満たせば住宅ローン控除を受けることができます。

住宅ローン控除を受けるためには、1年目は確定申告を行わなくてはいけません。2年目以降は、年末調整で手続きが完了できます。 下記の条件に当てはまる人は、還付申告しましょう。

・住宅ローンを借りている(住宅借入金等特別控除の条件を満たす)

・住宅借入金等特別控除をはじめて受ける

【参考】住宅ローン控除 確定申告書の書き方

退職したら年末調整の代わりに確定申告を

最後に退職の場合です。退職時に関わる税金は、「退職するまでの給与」と「退職金」にかかるものがあります。

■退職するまでの給与について

まずは「退職するまでの給与」についてです。年の途中で退職し年末調整を受けていない場合は、確定申告をして、給与天引き(源泉徴収)で引かれていた税金を精算しましょう。 多くの場合で税金を本来より多く払っており、還付される可能性が高いと思われます。退職した勤務先から交付された「給与所得の源泉徴収票」を用意しておきましょう。

■退職金にかかる税金について

次に「退職金」にかかる税金についてです。退職金や一時恩給などは「退職所得」として課税されます。ただ、退職の際「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない人は、必ず確定申告をしましょう。所得税を20%も源泉徴収されています。これは、所得税の払い過ぎです。確定申告できちんと税金を精算しましょう。

また、 「退職所得の受給に関する申告書」を提出している人でも、確定申告をすれば税金が戻ってくる場合もあります。

【参考】会社を辞めた人の確定申告

生活環境が変化すると何かと忙しくなり、ついつい後回しにしてしまいがちかもしれませんが、払い過ぎている税金がちょっとした手続きで返ってくる場合もあります。何もしないと税金は戻ってきません。しっかりとチェックして手続きをしましょう!

医療費控除の還付金は、いくら?計算方法はコレ

医療費控除をすればお金が戻る。その計算方法は?

医療費控除の申告に必要な書類。税務署や役所でセットにして配布していることも

医療費控除の申告に必要な書類。税務署や役所でセットにして配布していることも

「年間の医療費が10万円を超えたら、医療費控除でお金が戻ってくるらしい」こんな話を聞いたことはありませんか?

よくあるのが「かかった医療費が全額戻ってくるんじゃないの?」という勘違い。医療費控除の還付金は、医療費から色々なものが差し引かれた上で戻ってきます。医療費控除の還付金の計算方法について解説します。

そもそも医療費控除とは?

医療費控除とは、1月1日から12月31日までの本人あるいは生計を一(いつ)にする家族のために医療費を支払った場合、一定金額の所得控除を受けられることをいいます。

単身赴任のお父さんも、下宿をしている大学生の子どもも、生活費を仕送りしている両親もみんなの医療費を合算できると覚えておきましょう。

医療費控除の対象になる医療費って何?

医療費の中にも、医療費控除の対象になるものとならないものがあります。

■医療費控除の対象になるもの

・病院、歯科の治療費、薬代

・薬局で買った市販の風邪薬

・入院の部屋代、食事の費用

・妊娠中の定期健診、検査費用

・出産の入院費

・病院までの交通費

・子どもの治療のための歯科矯正

・在宅で介護保険をつかった時の介護費用


■医療費控除の対象にならないもの


・人間ドック等の健康診断費用(病気が発見されない場合)

・自分の都合で利用する差額ベッド代

・健康増進のビタミン剤や漢方薬

・病院までマイカーで行った時のガソリン代や駐車料金

・里帰り出産のために乗った飛行機代

・美容整形

医療費控除の対象になるもの(○)とならないもの(×)の違いは、予防のための医療費は×治療のための医療費は○と覚えておきましょう。例えば、インフルエンザの予防接種は医療行為ですが予防目的なので×。薬局で買った風邪薬は○となります。

【参考】医療費控除の対象になるもの・ならないもの

医療費控除は、1年間の家族全員の医療費が対象になるので、離れて暮らす家族が病院に行った時はもちろん、薬局で薬を買ったり、歯医者さんに行った時も必ずレシートを取っておくようにしましょう。また交通費はノートやレポート用紙に記録を残しておくとよいでしょう。

【参考】領収書のない交通費は医療費控除の明細書にどう書く?

医療費控除について基本的なことが分かったら、次はいよいよ還付金の計算方法についてです。

医療費控除額の計算方法は?

医療費控除額の計算方法は、下記の通りです。

医療費控除額=(医療費控除の対象になる医療費-保険金等で補てんされた金額)-10万円(総所得200万円未満の人は総所得金額等×5%)

見てわかる通り、家族全員の医療費が、そのまま医療費控除額になるわけではありませんよ。

(1)まず、「保険金等で補てんされた金額」とあるように、医療費から差し引かなくてはいけないお金があります。具体的には、以下のようなものがあります。

・出産育児一時金(出産手当金は引かなくてもいいです)

・高額療養費

・生命保険や、損害保険の支払い保険金

・医療費の補てんを目的としてもらう損害賠償金

(2)そして、最後に10万円もしくは総所得の5%のいずれか低いほうを引きます。

医療費控除は、対象にならないものがあることや保険金などで補てんされたお金を引かなくてはならない点に注意

医療費控除は、対象にならないものがあることや保険金などで補てんされたお金を引かなくてはならない点に注意

「なぜ10万円もしくは総所得の5%のいずれか低いほうをひかなくてはいけないの?」という質問をよく頂きますが、「医療費がたくさんかかった人は、大変でしょうから税金を少なくします」というのがこの医療費控除、そのたくさんというところを10万円と決めているわけです。

ところが、所得が1000万円の人の10万円と、所得が100万円の人の10万円とでは、重みが違います。そこで、所得の5%とすれば、100万円の人は5万円を超えれば所得控除が受けられて、税金を少なくすることができるのです。

【参考】10万円以下でも医療費控除が受けられる場合がある

医療費50万円と20万円の場合、還付金額はいくら?

では、実際にどれくらい税金が戻るのか計算してみましょう。

出産と夫の入院で50万円かかった山田家

山田さんのお宅では、医療費控除の対象となる物が50万円ありました。しかし、出産育児一時金や保険会社からの保険金を引くと、残りは7万円。10万円引いたら、医療費控除額はゼロとなります。当然、戻ってくる税金もありません。

風邪と歯医者で治療費20万円かかった木村家

木村さんのお宅では、医療費控除の対象になる物が20万円ありました。保険金などの補てんはないのでそこから、10万円を引くと、医療費控除額は10万円になります。

山田さんのほうが医療費はたくさんかかっていますが、補てんをされているので結局控除はゼロ。還付金はありません。では医療費控除額が10万円になった木村さんは一体いくらお金が戻ってくるのでしょうか?


よく「10万円を引いた残りの控除額が戻ってくる」と思っている人がいるのですが、木村さんの場合は10万円がそのまま戻ってくるのではなく、木村さんの所得に応じて戻ってくる額が変わります。

・木村さんが課税所得300万円なら …… 10万円×10%=1万円

・木村さんが課税所得2000万円なら …… 10万円×40%=4万円

この10%とか40%というのは、所得税の税率です。同じ控除額でも税金をいっぱい払っている人はそれだけ還付金も多く、少ない人は還付金も少ないと言うことになります。対象になるものとならないものや計算方法、申告に必要な書類など、医療費控除について少しでも分からないことがあれば、税務署に問い合わせてみましょう。

【参考】医療費控除を申請したい!用紙はどこで入手できる?

医療費控除を申告すると住民税も安くなる

もう一つ、お金は戻ってきませんが住民税にも医療費控除があります

住民税の税率は、所得に関係なく10%です。木村さんが課税所得300万円でも2000万円でも、「10万円×10%=1万円」つまり住民税が1万円安くなります。

住民税の手続きは、確定申告をするだけで特に必要ありません。住宅ローン控除などで所得税が全額還付かほぼゼロになっている人も、住民税が安くなることもありますので、確定申告しておくといいかもしれませんね。

【参考】住宅ローン控除と医療費控除を同時に申請するメリット


※記事中の税額は概算、復興特別所得税は考慮せず


▼医療費控除を受ける手順はこちら
書類の入手方法:医療費控除を申請したい!用紙はどこで入手できる?

申請のダンドリ:医療費控除っていつまでに何をする?申請方法まとめ

書類の作成方法:医療費控除の申告方法と明細書の書き方