医療費控除を申請したい!用紙はどこで入手する?

医療費控除は年末調整でなく確定申告で手続きする

昨年1年間で医療費がたくさんかかった。医療費控除を受けて還付金をもらいたい。この場合、年末調整では手続きができません。確定申告が必要です。

病気やケガで医療費をたくさん払ったら、医療費控除で税金を取り戻せる

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医療費控除の申請をするには、まず書類を一通り揃えることから。勤務先ですでに配られているはずの書類のほか、自ら入手しなければいけない書類もあります。必要なものを先にすべて揃えてから実際に書き始めるとスムーズですよ。

※今回は確定申告の義務がなく、勤務先で年末調整済みの給与所得者(サラリーマンやパート、アルバイト)を対象に平成29年分の確定申告の方法を説明します。

医療費控除の必要書類と2018年からの変更点

  • 勤務先で配られた源泉徴収票
  • 医療費の領収書やレシート(合計額の計算のため、提出はしない)
  • 医療費通知(健康保険から送られた「医療費のお知らせ」等があれば転記することで簡単に明細書が書けます、ただ必須ではありません)
  • 交通費の領収書(タクシー代など)
  • 医療費控除の明細書
  • 確定申告書A様式
  • マイナンバーの本人確認書類の添付台紙

2017年分の医療費、つまり2018年の確定申告から、医療費のレシートや領収書を提出する必要がなくなり、「医療費控除の明細書」という書類に、各医療機関の合計額のみを記入すればOKとなりました。

ただし、医療費の領収書は自宅で5年間保存する必要があります。(税務署から求められたときは、提示又は提出します)以下、それぞれの書類の入手方法と役割を具体的に説明します。

勤務先で配られた源泉徴収票

サラリーマンなどの給与所得者は、年末調整後の12月末から1月にかけての間に勤務先で源泉徴収票を受け取るかと思います。この源泉徴収票は確定申告には欠かせませんので、大事に保管しておきましょう。

源泉徴収票のイメージ(国税庁HPより)

源泉徴収票のイメージ(国税庁HPより)

もし紛失してしまっても、会社に(役所や税務署ではありません)再発行の依頼をすればOKです。

【詳細】源泉徴収票を紛失したら?再発行の手続きはどうする?

医療費の領収書やレシート(合計額の計算のため、提出はしない)

昨年1月1日から12月31日まで支払った医療費の領収書・レシートを集めておきます。自分自身の分だけでなく、生計を一にする家族の分も忘れずに。ここで集めた領収書の内容を、2017年分からは「医療費控除の明細書」へ転記することになります。今年の書き方から変更になっており、日付順などは関係なく、家族の名前、医療機関ごとに金額を記入すればいいということになりました。レシートは提出せずに家で5年間保管します。

医療費控除の明細書の書き方(国税庁HPより)

医療費控除の明細書の書き方(国税庁HPより)

健康保険組合から送られてきた「医療費通知」があれば総額だけでOK


    また、医療費控除の明細の記入ですが、健康保険組合から送られてきた「医療費通知」があれば、添付することにより総額の記入だけでOKです。「医療費通知」は2月ごろに送られてくるところが多いですが、半年に一回など送られている健康保険もあるので届いているか注意しておきましょう。

交通費の領収書(タクシー代など)はどうする?

通院・入院のためにかかった交通費、電車やバスによる移動が難しいときのタクシー代なども、医療費控除の対象になります。交通費の領収書もなくさないようにとっておきましょう。

公共交通機関については領収書が出ないため、日付とかかった交通費などの履歴を残しておきます。次の医療費控除の明細書にもその金額を転記します。

【参考】領収書のない交通費は医療費控除の明細書にどう書く?

医療費控除の明細書を入手するには

前述した「医療費控除の明細書」はその名のとおり、1年間にかかった医療費の明細をまとめるためのものです。入手方法は次の4つです。

2017年分からの医療費控除を記入する医療費控除の明細書(国税庁HPより)

2017年分からの医療費控除を記入する医療費控除の明細書(国税庁HPより)

  1. 税務署へ取りに行く
  2. 税務署から取り寄せる
  3. 国税庁のウェブサイトからダウンロードする
  4. 国税庁のウェブサイト 確定申告等作成コーナーで作成する

税務署や役所に行って職員の方に「医療費控除の申請をしたいので書類をください」などと声をかければ、必要な書類のセットをくれるはずです。もし仕事の合間などに立ち寄れるようであれば、確実に入手できるでしょう。書類をもらうだけなら、どの税務署でもOKです。

もし税務署まで行けなくても、郵送で取り寄せられる場合もあります。詳しくは最寄の税務署に問い合わせてみましょう。

パソコンでプリントアウトできる環境があれば、税務署へ足を運ぶ必要はありません。書式は以下のリンク先(いずれも国税庁ウェブサイト)からダウンロードできます。プリントアウトして手書きで作成するもよし、エクセルの集計フォームに入力して自動計算してもよし。ご自身に合った方法を選んでください。

▼書式のダウンロードはこちら
手書き用の医療費控除の明細書(PDF)

確定申告書A様式

確定申告書A様式イメージ。(画像は国税庁ウェブサイトより)

確定申告書A様式イメージ。(画像は国税庁ウェブサイトより)

確定申告書には、自分の年収やすでに適用されている所得控除、すでに給与天引きで支払っている所得税などを源泉徴収票から転記します。今回のテーマである医療費控除のように、確定申告で新たに申請する所得控除については、自分で控除額を計算した上で記入します。2016年分の確定申告分から、マイナンバー(個人番号)を記入する欄が設けられました。

確定申告書にはA様式とB様式がありますが、サラリーマンは基本的にA様式を利用します。

医療費控除の明細書と同様、入手方法は3パターンあります。また、手書きで作成する方法と、パソコンを使って作成する方法があります。

後者については、国税庁の確定申告書等作成コーナーで指示に従って入力していけば自動的に申告書が完成します。作成途中に保存し、後で作業を再開することもできるため、自由に使えるパソコンがあるならこの方法がよりおすすめです。

2017年に申告する分から提出時にマイナンバーの確認が必要になりました

平成28年分の申告からは確定申告書にマイナンバー(個人番号)を記入する必要がありますが、あわせて、提出時に税務署の窓口に、マイナンバー確認種類を提示する、または台紙に貼り提出する必要があります。

マイナンバーの本人確認書類の添付台紙。(国税庁のホームページより)

マイナンバーの本人確認書類の添付台紙。(国税庁のホームページより)

ポイントとしては、以下のいずれかの方法でマイナンバーの提示が可能です。

1.提出時に窓口で提示する

・マイナンバーカードを見せる

または

・マイナンバー通知カードと身元確認書類(運転免許証・パスポート・健康保険証・在留カード等)

2.提出時にコピー(写し)を添付する

・上記の本人確認書類台紙(写)添付台紙に貼って提出する

▼書式のダウンロードはこちら
手書き用の確定申告書A様式・(マイナンバー入り)(PDF)

▼書き方のポイントはこちら
手書きの場合:
申告書Aの書き方と源泉徴収票の見方
国税庁「医療費控除を受けられる方へ」

パソコンで作成:
国税庁「確定申告書等作成コーナー」操作の手引き

以上、医療費控除の申請に必要な書類とその入手方法についてご説明してきました。書類の作成はちょっと面倒ですが、還付金がもらえることを心の支えに、がんばって手続きを終わらせましょう!

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今さら聞けない、確定申告って何?

確定申告には「申告納税」と「還付申告」がある

確定申告とは1年間、つまり1月1日から12月31日までの間に所得のあった人が、所得税と復興特別所得税の額を「申告納税」する、また納め過ぎた所得税と復興特別所得税の「還付申告」をする手続きのことです。

「儲けが少ないから確定申告をしなくてもバレないだろう」はご法度

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手続きは原則、翌年の2月16日~3月15日に行います。なお、平成29年(2017年)分の確定申告期間は平成30年2月16日(金)~3月15日(木)です。

※以下、所得税と復興特別所得税をあわせて「税金」とします。

還付申告についてもう少し詳しく説明すると、所得間の損益通算や所得控除、税額控除などから所得税の再計算をして納めすぎた税金を還付してもらう手続きです。代表的なものに医療費控除住宅ローン控除などが挙げられます。なお、還付申告する場合の申告期間は、翌年の1月1日から5年間です。

確定申告が不要なケースも

所得は、次の10種類に分類されます。これらの所得を所定の手順で計算、税額を算出して申告納税します。

  1. 利子所得
  2. 配当所得
  3. 不動産所得
  4. 事業所得
  5. 給与所得
  6. 退職所得
  7. 譲渡所得
  8. 山林所得
  9. 一時所得
  10. 雑所得

このうち、通常の利子所得は20.315%(所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%)が源泉徴収されているので申告は不要です。

また給与所得も、前の年分の所得からその年分の所得を予想して、それに基づいて算出した税額を事業所が給与から代行徴収・納付し、年末調整で本来納めるべき税額との精算を行っています。そのため、サラリーマンなどの給与所得者は、原則的には確定申告をしなくてもよいのです。

※サラリーマンでも確定申告の義務を負うケースはあります。詳しくは後述します。

確定申告で税金の「申告納税」が必要な人

ここからは、「確定申告をして税金を納めなければいけない人」「確定申告を行うと税金が還付される可能性のある人」の主な例を挙げていきます。


●配当所得があった人

株式の配当金や公募株式投資信託(公社債投資信託及び公募公社債等運用投資信託以外のもの)の分配金をもらった人。選択により申告不要制度の適用を受けることも可能です。なお、NISA(少額投資非課税制度)口座での取引は非課税なので確定申告の必要はありません。

詳しくは>>配当金の受け取り方と配当控除の申告方法

●不動産所得があった人

・ワンルームマンションやアパート、自宅等を賃貸している人

・月ぎめ駐車場を所有している人

詳しくは>>不動産所得がある人の確定申告と節税方法

●事業所得があった人

農業や酪農、漁業、サービス業などの所得がある人や医師、弁護士、作家、外交員など。

●給与所得があった人

サラリーマンは基本的に確定申告が不要ですが、以下のいずれかに当てはまる人は確定申告をしなければなりません。

・給与収入が2000万円を超える人

・給与を1カ所から受け取っていて、給与所得や退職所得以外の各種所得金額の合計額が20万円を超える人

・2カ所以上から給与を受け取っていて、年末調整を受けていない給与とその他の所得の金額が20万円を超える人

など

詳しくは>>パート・アルバイトの掛け持ちで確定申告は必要?


●退職所得があった人


・退職時に「退職所得の受給に関する申告書」を提出していない人で、そのときの源泉徴収税額が正規の税額よりも少なかった人

・源泉徴収されていない退職金を受け取った人

詳しくは>>退職金から天引きされた所得税も確定申告で取り戻せる

●譲渡所得があった人
(1)株式等

・特定口座(源泉徴収あり)以外の口座を選択している人

・特定口座(源泉徴収あり)を選択している人で、他の口座と譲渡損益や配当所得を損益通算する人

・上場株式等の譲渡損失を繰り越し控除する特例の適用を受ける人

・上場株式等に係る譲渡損失と申告分離課税を選択した配当所得との損益通算をする人  

※NISA口座での取引は非課税なので、確定申告の必要はありません。

詳しくは>>株で損が出たら確定申告を!期限後でもしておこう

(2)不動産関係

土地及び建物等を売却して譲渡(損)益がある人

マイホームを売却して譲渡損益がある人

(3)その他

・ゴルフ会員権を売却した人


●山林所得があった人


取得後5年超えの山林を立ち木のまま、あるいは伐採して譲渡した人。

●一時所得があった人

・5年超えの生命保険や損害保険の満期保険金や満期返戻金を受け取り、「満期保険(返戻)金-支払い保険料」が50万円を超える人

・賞金や懸賞当せん金を得た人

・遺失物取得の報労金をもらった人

詳しくは>>一時所得を受け取ったときの確定申告

●雑所得があった人
(1)年金を受け取っている人

ただし、公的年金等の遺族年金や障害年金は非課税なので申告不要です。また、公的年金等の収入金額が400万円以下で、公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下の人も、申告は不要です。

注)次の2つに該当する人は住民税の申告が必要。

・公的年金等に係る雑所得以外の所得がある人

・所得が公的年金等に係る雑所得のみの人で「公的年金等の源泉徴収票」に記載されている控除(社会保険料控除、配偶者控除、扶養控除、基礎控除など)以外の各種控除の適用を受ける人

(2)副業による収入があった人

作家以外の原稿料、講演料、アフィリエイト、ネットオークションなどによる収入を得た場合。

詳しくは>>副業で副収入を得たら、確定申告は必要?

(3)外貨預金で為替差益があった人

確定申告で「還付申告」ができる人

次に、「還付申告」につながるケースを挙げていきます。確定申告をする上での注意点についても解説します。

●退職した人

・1年の途中で退職して年末調整をしていない人

・退職金以外の収入が少なかった人

詳しくは>>会社を辞めた人の確定申告

●次の所得控除を受ける人
(1)医療費控除

生計を一にする親族が1年間に支払った医療費合計が10万円(年間所得が200万円未満の人は年間所得金額×5%)を超える人

(2)雑損控除

台風や地震、火事などの災害や、シロアリ、盗難、横領などで家屋・家財に損害を被った人。

(3)ふるさと納税などの寄附金控除

国や地方団体、NPO法人など特定の団体へ、ふるさと納税を含む寄附をした人。

税額控除の「寄附金特別控除」を選択することも可能。

※確定申告不要の給与所得者などは、ふるさと納税先が5カ所までなら確定申告不要となる「ふるさと納税ワンストップ特例」を利用する事ができます。その場合、所得税の所得控除分を含めてすべて住民税の税額からの控除(=減税)となります。

(4)年末調整で生命保険料控除を受け忘れた人

(5)年末調整で
地震保険料控除を受け忘れた人

(6)
年末調整後に扶養家族が増えた

など

●税額控除を受ける人
(1)住宅ローンを組んで住宅ローン控除を受けたい人

・10年以上の住宅ローンを組んで自分が住む家を新築・購入した人

・自宅のリフォーム費用が100万円を超え、そのためにローンを組んだ人

・ローンを組んで一定の省エネ、バリアフリー改修工事を含む増改築を行った人

・ローンを組んで三世代同居の為にキッチン、浴室、トイレ、玄関のいずれかを増設した人

(2)自己資金で耐震改修工事を行った人(投資型減税)
(3)自己資金で省エネ、バリアフリー改修工事を行った人(投資型減税)
(4)自己資金で三世代同居の為にキッチンや浴室、トイレ、玄関のいずれかを増設した人(投資型減税)
(5)災害減免法の適用を受けている人
(6)配当所得があり総合課税を選択した人(申告分離課税では、配当控除は受けられない)

確定申告の義務者が申告納税しないとペナルティがある!

例えば、給与所得者で給与収入が2000万円超えの人や不動産所得がある人など、確定申告をしなければいけない人が申告納税しないと、納付すべき所得税に、「加算税」「延滞税」などの税金が加算されます。

「加算税」「延滞税」の金利は高いのです。必ず期間内に確定申告しましょう。

詳しくは>>確定申告の期限後申告によるペナルティとは

還付申告は確定申告期間でなくても受付可能

医療費控除や雑損控除のように、「還付申告」の場合は期間外でも受け付けています。たとえば平成29年分の還付申告なら、年が明けた平成30年1月から提出可能なのです。

確定申告の時期が始まる2月16日より前に申告すると所得税の還付を早く受けることができますし、税務署でもゆっくりと相談に乗ってもらえます。必要書類がそろっているのであれば、2月16日より前に還付申告することをおすすめします。

間に合わなかった場合は、3月16日以降でもOKです。なお、確定申告し忘れた還付申告は過去5年間さかのぼることができます。

詳しくは>>還付金をもらうにはいつまでにどこに行けばいい?

確定申告書の入手方法と提出方法

確定申告に必要な書類の入手方法、および提出方法は次の2パターン。どちらか利用しやすいほうを選びましょう。

  1. 必要な申告書等を税務署等で入手し、税務署に持参あるいは郵送して提出

  2. 国税庁のホームページの確定申告書等作成コーナーで申告書を作成し、プリンターで印刷し持参あるいは郵送する。また、作成した申告書を税務署に送信し確定申告すること=e-Taxもできる。

なお、申告書の提出先は管轄の税務署。どこでもいいいわけでありませんので注意してください。

確定申告を行うときの注意点

・誰が申告するとメリットが最大か(医療費控除、各種保険料控除など)
・申告することで世帯全体で税額がアップすることはないか(扶養控除との関係)
・源泉徴収済みの所得は確定申告するメリットがあるか(退職所得、雑所得、配当所得、株式等の譲渡所得の売却益など)

以上のように、世帯全体で税金の納付額の検討が必要です。目先の還付額に目がくらんで、あとで泣く人も少なくありません。慎重に計算してじっくり検討しましょう。

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借り換えをした場合の住宅ローン控除とは

住宅ローン控除とは?適用される条件

住宅ローン控除とは、マイホームを一定の条件のローンを組んで購入したり、省エネやバリアフリーなど特定の改修工事を行うと、年末のローン残高に応じて税金が安くなる制度のことです。住宅借入金等特別控除の対象となる住宅ローン等は、住宅の新築、取得または増改築等のために直接必要な借入金または債務でなければなりません。

住宅ローン控除の利用条件は主に下記の通りです。

・住宅を取得してから6カ月以内に入居し、適用を受ける年の12月31日まで引き続き住んでいる

・控除を受ける年の合計所得金額が3000万円以下(会社員は給与所得控除後の金額)

・住宅ローン控除の返済期間が10年以上

・床面積が50平方メートル以上(登記簿上)

住宅ローンの借り換えとは

住宅ローンは早めの見直しがポイントです

住宅ローンは早めの見直しがポイントです

実際に住宅ローンを返済していく際、少しでも金利や返済条件の有利なほうへ、あるいは総返済額を少なくするために住宅ローンの見直しを行うことが少なくありません。その主な方法には「借り換え」と「繰上返済」があります。

住宅ローンの借り換えとは、当初住宅取得の際、住宅ローンを組んだ金融機関等への借入から、新たに金利や返済条件の有利な金融機関へ金銭消費貸借契約(以下、借入契約という)をし直すメンテナンス方法です。

借り換えした場合の住宅ローン控除が適用される条件は?

住宅ローン控除の対象となる住宅ローン等は、住宅の新築、取得または増改築等のために直接必要な借入金または債務でなければならないため、住宅ローン等の借り換えによる新しい住宅ローン等は、原則として住宅借入金等特別控除の対象とはなりません。

しかし、以下の要件を全て満たす場合には、住宅ローン控除の対象として取り扱われます。

・借り換えした住宅ローンが当初の住宅ローン等の返済のためのものであることが明らかである

・借り換えした住宅ローンの償還期間が10年以上など、住宅ローン控除の対象となる要件に当てはまる


例えば、当初住宅取得の際、A金融機関で返済期間20年の住宅ローンを組んでいたとしましょう。返済期間6年目の年末を過ぎた頃、より金利や返済条件の有利なB金融機関で返済期間9年の住宅ローンへ借り換えをしたとします(下図参照)。

通常、ここでA金融機関に対する住宅ローンは消滅し、B金融機関に対する住宅ローンが新たに発生してくることとなります。

住宅ローン借り換えのイメージ図(図表:筆者作成)

住宅ローン借り換えのイメージ図(図表:筆者作成)

返済期間が10年以上の借入金等かどうかは契約ごとにチェック

この例では、A金融機関との住宅ローンは住宅ローン控除の対象になりますが、B金融機関との住宅ローンは住宅ローン控除の対象になりません。

A金融機関での住宅ローンは返済期間20年(のうちの最初の6年)ということで、返済期間10年以上の借入金等に該当しますが、B金融機関での住宅ローンは返済期間9年。「返済期間10年以上」が要件となっている住宅ローン控除は受けられないのです。

このように、住宅ローン控除を受けることのできる住宅ローンかどうかは、個別の借入契約ごとに判断されますので注意してください。

借り換え後のほうが住宅ローン残高が多い場合、控除対象額に注意

返済期間10年以上の住宅ローンに組み換えた場合であっても、借り換え直前における当初の住宅ローン等の残高より、借り換えによる新たな住宅ローン等の借入時の金額が多い場合も注意が必要です。

例えば、借り換え直前における当初の住宅ローン等の残高が3000万円で、借り換えによる新たな住宅ローン等の借入時の金額が3200万円といった場合には、住宅ローン控除の対象額は以下の算式のとおりです。


借り換えによる新たな住宅ローン等の年末残高 × 借り換え直前における当初の住宅ローン等の残高 / 借り換えによる新たな住宅ローン等の借入時の金額

(例)新規ローンの年末残高が3150万円の場合

⇒3150万円×3000万円/3200万円=2953万1250円

借り換えの場合、新しい住宅ローン等が当初の住宅ローン等の返済のためのものであることが明らかでなければなりません。そのため、当初の住宅ローンを引き継いでいる借り入れであることがポイントなのです。

借り換え直前における当初の住宅ローン等の残高が3000万円で、借り換えによる新たな住宅ローン等の借入時の金額以下であれば、借り換えによる新たな住宅ローン等の年末残高(新規ローンの年末残高)がそのまま住宅ローン控除の対象額となります。

借り換えした場合の住宅ローン控除はどのような手続きが必要?

このように、借り換えした後の住宅ローンであっても、「契約期間10年以上」など一定の要件にあてはまれば、引き続き住宅ローン控除が受けられます。

給与所得者の場合、住宅ローン控除を受けるためには初年度が確定申告、二年目以降は年末調整により処理が完了というルールにも変更はないので、借り換えの場合、ほとんどの方が、年末調整での対応が可能となるのではないでしょうか。

借り換え後の住宅ローン控除が年末調整対応となる場合

  • 給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金特別控除申告書(借り換え後の住宅ローンが借り換え前より多い場合には記載に注意が必要)

と を勤務先に提出することになります。

住宅取得資金に係る借入金の残高証明書の記載例(出典:国税庁資料)

住宅取得資金に係る借入金の残高証明書の記載例(出典:国税庁資料)

特に、2点目の「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」がポイントで、この書式がそもそも「契約期間10年以上」の借入であることを証明する書類となるのです。

したがって、「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」が発行されている人は堂々と年末調整で処理してもらいましょう

住宅ローンは金利&節税も含めた総返済額で考えよう

「住宅ローンの見直しを行うと住宅ローンの年末残高が減少するので、節税上、逆効果になるのではないか」という声もよく聞きます。しかし、実際に実務の相談現場で住宅ローンの借入返済計画表を拝見すると、節税額よりも、住宅ローンの利息負担額がかなり多いというケースが多いのも事実です。

また、住宅ローンの見直しをすると、住宅ローンの元金が減るのが通常なので、節税上は不利になるのですが、住宅ローンは「元金返済+利息返済額-ローン控除節税額」といった総返済額で考えるという視点が重要です。

ローンの見直し時期が早ければ早いほど、ローン控除節税額より利息返済額のほうが大きいので、利息減少額と節税額とライフスタイルを考慮した上で、住宅ローンの見直しに取り組んでみてはいかがでしょうか。

【関連記事】
住宅ローン控除に必要な書類と見方のポイント
住宅ローン控除 確定申告書の書き方

確定申告の時期、2018年はいつからいつまで?

平成29年の確定申告書の提出期限は?

確定申告の時期は原則2月16日から3月15日。提出期限も原則は3月15日です。2017年分(平成29年分)の申告は平成30年3月期申告ということになるため、カレンダーでとりまとめると以下のとおりです。

確定申告の時期:平成30年2月16日(金)~3月15日(木)

申告・納税の期限:平成30年3月15日(木)

ただし、すべての場合において3月15日が締め切りとは限りません。どんなケースがあるか確認してみましょう。

▼確定申告の時期と提出期限・目次

  1. 個人事業主や不動産オーナーなどが亡くなった場合
  2. サラリーマンが在職中に亡くなった場合
  3. 納税者が出国している場合
  4. サラリーマンなど申告義務のない人が還付申告をする場合
  5. 更正の請求ができる期間

1. 個人事業主や不動産オーナーなどが亡くなった場合

被相続人=納税者本人が亡くなった場合の確定申告を準確定申告といいます。

個人事業主や不動産オーナーなどが亡くなった場合、当然、その本人は確定申告することはできません。通常、相続の開始のあったことを知った日の翌日から4カ月を経過した日の前日が、確定申告の期限となります。

このとき、「応答日の前日」という言い方がよく用いられます。例えば5月15日に亡くなったなら、4カ月後の応答日は9月15日、その前日ですから9月14日ということになります。

ここで、前提条件を「個人事業主や不動産オーナーなど」としたことには、ちゃんと理由があります。

個人事業主や不動産オーナーであれば、事業所得や不動産所得などがあるため、通常、確定申告を行なわなくてはならない人です。このような人の相続人(一般的な言い方に改めると遺族)は、確定申告を行わなければならない人、つまり確定申告の義務者であるため、注意が必要です。

個人事業を引き継いだ経営者や、賃貸マンションや賃貸アパートを相続した遺族は、申告義務も課せられるのです。

2. サラリーマンが在職中に亡くなった場合

サラリーマンが在職中に亡くなった場合には、年末調整の例外項目として、年末調整の対象者として処理することもできます。ただし年末調整ですから、考慮される所得控除に医療費控除は含まれません。

この場合も、前出の準確定申告のケースをあてはめ、「4カ月以内もしくは応答日の前日」が期限となります。ただし注意したいのが、「医療費控除などの適用があるかどうかは税務署サイドではわからない」ということ。つまり、「医療費控除などの適用が可能で、確定申告をした場合に還付となるのであれば、自分で申告してね」ということです。

個人事業を引き継いだ経営者や、賃貸マンション・賃貸アパートを相続した遺族は、「申告しなければならない」という申告義務がありますが、サラリーマンが在職中に亡くなった場合の遺族は「確定申告を提出することができる」(あるいは確定申告を行ったほうが有利)というわけです。微妙なニュアンスの違いがポイントといえるでしょう。

3. 納税者が出国している場合

納税者が年の中途で出国する場合には、その年の1月1日から出国のときまでの所得について確定申告書を提出しなくてはいけないことが、所得税法127条に記されています。

また、還付申告となる場合は、上記の「確定申告書を提出しなくてはいけない」という箇所が「確定申告書を提出することができる」という規定に置き換わります。サラリーマンが亡くなった場合と同じニュアンスですね。

ただ、例えば海外転勤する場合には、「留守中、マイホームを賃貸に出す」といったことも考えられます。そうではなくても、不動産所得があれば出国以降も所得が生じますが、確定申告を提出することは不可能です。

このような場合、納税者本人の所轄税務署に所得税の納税管理人の届出書を提出し、その納税管理人に申告を行ってもらうことになります。なお、納税管理人は法人でも個人でもかまわないため、親族に適当な管理者が不在の場合は、少し選択範囲が拡がるかもしれません。

4. サラリーマンなど申告義務のない人が還付申告をする場合

所得の種類が給与所得だけなら、通常、年末調整で処理が完了し、確定申告の必要がなくなる人がほとんどです。

しかし「医療費控除があった」「住宅ローン控除の1年目の手続きを行っていなかった」など、年末調整で処理できなかったり処理し忘れたりした控除があるなら、確定申告をしたほうが有利です。つまり税額が還付されるわけです。

このような申告を一般的に還付申告といいます。実は、還付申告の提出期限は必ずしも3月15日ではありません

還付申告は翌年の1月1日から5年間受け付けてもらえるため、平成29年分の還付申告なら年明けからすぐ受け付けてもらえます。例えば「平成25年分で医療費控除の適用漏れがあった」なら、平成30年の年末まで受け付けてもらえるのです。

【参考】3月15日を過ぎても大丈夫!サラリーマンの還付申告

ただし、このルールが当てはまるのはあくまで所得の種類が給与所得だけの人、つまり確定申告の必要のない人のみです。言い換えれば、確定申告の義務者には当てはまりません。

フリーランスなど個人事業主であれば事業所得があり、賃貸マンションや賃貸アパートであれば不動産所得があるでしょう。このような人は通常、3月15日が申告期限です。「平成××年に医療費控除の適用漏れがあった」とすると、その対応方法としては還付申告ではなく更正の請求となります。

5. 更正の請求ができる期間

なお、更正の請求ができる期間について、平成23年12月2日に大幅な税制改正がなされています。

平成23年12月2日より前に法定申告期限が到来する所得税・法人税といった国税については、更正の請求の請求期限は従来どおり法定申告期限から1年です。一方、平成23年12月2日以後に法定申告期限が到来する所得税・法人税といった国税について、更正の請求ができる期間が法定申告期限から原則として5年に延長されたのです。下図で説明しましょう。

更生の請求期間の比較図(出典:国税庁ホームページ)

更正の請求期間の比較図(出典:国税庁ホームページ)

例えば平成23年3月15日に申告期限の到来する確定申告であれば、平成23年12月2日より前ですから、従来通り更正の請求期間は1年となります。

そして平成24年3月15日に申告期限の到来する確定申告であれば、平成23年12月2日以後に法定申告期限が到来する所得税ですから、平成29年3月15日まで更正の請求期間が延長されることとなります。

ただし、更正の請求に際しては、更正の請求の理由の基礎となる「事実を証明する書類」の添付が必要となることが明確化されました。最初からきちんとした確定申告書を提出しておくことが重要なのは、税制改正後も変わりありません。

【参考】確定申告の期限後申告によるペナルティとは

住宅ローンの残高証明書とは?いつ届く?

住宅ローン残高証明書とは?住宅ローン減税の年末調整と確定申告に必要

住宅ローンを借りていると、金融機関から「住宅ローン残高証明書」が送付されてくることがあります。「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」や「融資額残高証明書」などと記載されている場合もありますが、これは住宅ローン減税の申請の時に必要なものです。

住宅ローン減税を受けるための「融資額残高証明書」の見本(住宅金融支援機構HPより)

住宅ローン減税を受けるための「融資額残高証明書」の見本(住宅金融支援機構HPより)

住宅ローン減税とは、住宅ローンを借り入れてマイホームを取得した時に、所得税(一部は住民税も)が減税される仕組みです。

10年間、年末の借入残高の1%の金額が税額からひかれることになります。減税効果はかなり高いですね。ただし、最大控除額は1年で40万円(長期優良住宅などは50万円。平成26年1月~平成33年12月)。

この減税額が決まる「年末のローン残高」を証明してくれるのが「住宅ローン残高証明書」。減税を受けるために必要な書類です。

住宅ローン減税、1年目は確定申告で

住宅ローン減税を受けるための手続きをみておきましょう。1年目は確定申告をする必要があります。金融機関が発行する住宅ローン残高証明書などの必要書類をそろえて確定申告をします。申告期間は、翌年の2月16日から3月15日まで。住所の管轄の税務署に提出をします。

2年目以降は確定申告をする必要がなく、会社の年末調整で申請ができるようになります。初年度申告後に税務署から送付された証明書と、金融機関から送付された「住宅ローン残高証明書」などを年末調整書類に添付して会社に提出しましょう。

「住宅ローン残高証明書」送付は10月上旬から中旬

各金融機関が発行する「住宅ローン残高証明書」ですが、多くのところは10月上旬から中旬に郵送で送られてきます。生命保険料の控除証明書などと共に、手続き(確定申告または年末調整)をすすめましょう。

ただし、住宅ローン締結時期が9月や10月以降の場合(金融機関によって異なります)、住宅ローン残高証明書は翌年1月に送付されることになります。住宅ローン減税初年度は、確定申告を行うことになります。翌年2月からの手続きですので、1月に送付されても大丈夫ですね。

紛失の場合は再発行依頼を

万が一、これらの証明書を無くした場合は、金融機関で再発行をしてもらいましょう。例えば「フラット35」の場合、インターネットからでも再発行の依頼ができます。(→ 住宅金融支援機構 「住・My Note」)

住宅ローン減税は、住宅ローンを借りたら自動的に減税されるものではありません。きちんと手続きをして、税金が安くなるものです。大きな減税額ですので、忘れずに申告しましょう。

確定申告と年末調整はどう違うの?

確定申告も年末調整も“所得税”にかかわる手続き

確定申告と年末調整の違いとは?

確定申告と年末調整の違いとは?

毎年、秋から年末にかけては年末調整、そして、年が明けて原則2月16日から3月15日は確定申告の時期です。

税金の仕組みを理解しておくことは、お金の問題を考える際にとても重要なことです。年末調整と確定申告それぞれの目的と違いを知って、税金について理解を深めましょう。

年末調整は“先払い”した所得税の精算手続き

年末調整とは、事業所等(勤務先など)が会社員や公務員などの給与所得者に、1~12月の1年間に支払った給与や源泉所得税についてその過不足を調整する仕組みのことです。

所得税の納税は原則として確定申告で行います。しかし会社員や公務員の場合、給与から天引きすることで税金については源泉徴収しており、これに年末調整することで納税が終了するため確定申告が不要になります。

毎月給与から天引きしているのに、年末に調整する必要があるのかというと、源泉徴収されている所得税額の合計と本来納税する所得税額が必ず同額にならないからです。

例えば給与から天引きによって源泉調整されている所得税額には、生命保険料控除などが反映されていません。保険に新たに加入した・解約したなどや病院で医療費を支払ったりしたようなことも反映されません(勤務先でこれら個別事情を把握できないため)。

源泉徴収は概算による所得税額のため、年末調整することで正しい所得税額を計算して精算するのです。

確定申告は儲けにかかる所得税を“後払い”する

確定申告とは、個人が1月1日~12月31日を課税期間として、その間の所得のすべてを計算して所得税額を確定し、申告・納税する手続きです。確定申告は所得税を“納める”ためだけでなく、払い過ぎていれば“還付してもらう”手続きにもなります。これを還付申告といいます。

年末調整が毎月の給与天引きで源泉徴収され、税金を差し引かれて給与を受けているのに対して、確定申告は報酬を受け取った後の精算になります。

簡単なイメージで言うと、年末調整は給与天引きしながら先払いして、その額が少なければ不足分を徴収、多ければ還付(年末調整でお金が戻ってくるあれです)されます。確定申告の場合は、予定納税などをしていない限り納税は後払いですから、納税のためのお金のやりくりも重要です。

会社員でも確定申告の義務がある人・確定申告した方がいい人

年末調整したら確定申告する必要がないのかと言えば、必ずしもそうではありません。

すでにご説明したように、会社員や公務員なら年末調整で済む人がほとんどです。しかし年末調整しても確定申告しなければならない人、した方がいい人について見てみましょう。

●確定申告をしなければならない人

●確定申告をすると還付金がもらえる人還付申告の対象になる人
還付になる人は確定申告はしなくてもいいけど、した方がいい、得になる人です。年末調整に慣れていると確定申告は面倒でしょうが、下手な節約よりもはるかに効果的です。お金の貯め方、増やし方なども大事なことですが、税金はお金を語る上で欠かせないものです。年末調整と確定申告のポイントと違いを知って、自分の家計管理に生かしてください。

iDeCo(個人型の確定拠出年金)の加入者は所得控除を忘れずに!

2017年1月から、個人型の確定拠出年金(iDeCo)が拡充されて、現役世代のほとんどの人が確定拠出年金に加入できるようになりました。

自分で掛金を支払っている分については、その全額は所得控除の対象になります。生命保険料控除などのような金額の制限はありませんので、年間の掛金全額を記入してください。2017年から加入した人も多いはずです。

例えば毎月2万円支払っていれば、×12ヶ月で24万円控除することができます。同じ金額を支払っていても生命保険料控除よりよほど金額が大きいのでしっかり手続きしましょう。

所得控除の項目は、「小規模企業共済等掛金控除」になります。対象になるのは次の人です。

  • 個人型の確定拠出年金(iDeCo):自営業、専業主婦、公務員、iDeCoに加入できる会社員
  • 企業型の確定拠出年金:一般的に会社が掛金を負担しているので所得控除の対象外

但し企業型については、勤務先でマッチング拠出(企業型の上乗せ、任意加入)を導入していて、掛金を自分で支払っている場合、マッチング拠出分は所得控除の対象になります。

なお、マッチング拠出について導入するかどうかは勤務先の企業の判断になります。

マイナンバーはいつの年末調整や確定申告から影響する?

マイナンバーが税金の手続きに関わってくるのは、2016年分からの所得に対する所得税です。2017年の年末調整や確定申告からはじまっていますが、2017-2018年の年末調整・確定申告でも原則として必要です。昨年マイナンバーの提出をしなかった人も引き続き提出が求められます。

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確定申告でセルフメディケーション税制を使ってみる!

セルフメディケーション税制とは?

セルフメディケーション税制とは、健康の保持増進や疾病予防等の取り組みをしている人が、厚生労働省指定の医薬品を一年間で一定額以上購入した場合、購入費の一部を確定申告で所得控除(医療費控除)できる制度の事です。2017年1月から始まった医療費控除の特例(4年間限定)であり、今度の確定申告から利用することができる新しい制度です。

控除できる額……控除対象の医薬品購入費-12,000円

※年間に控除できる額の上限は88,000円

厚生労働省が指定している医薬品の種類は、厚生労働省のホームページで確認できます。また、各医薬品にはセルフメディケーション税制のロゴマークが付けてあるので、医薬品の箱を見れば簡単に確認することができます。

セルフメディケーション、控除対象、医薬品

セルフメディケーション税制対象商品の目印

セルフメディケーション、控除対象、医薬品

セルフメディケーション税制対象商品の目印(シール貼付)

さらに購入時のレシートにも、セルフメディケーション税制の対象となる医薬品には印を付けて、分かりやすくしてくれています。

セルフメディケーション、控除対象、医薬品、レシート

セルフメディケーション税制の対象商品を確認できるレシート

従来の医療費控除とは選択制

セルフメディケーション税制は、確定申告時に従来の医療費控除(下記の計算式で求めた額で上限200万円)とどちらかを選択する必要があります。

従来の医療控除……支払った医療費-保険等で補填される額-10万円(※)

※総所得金額等が200万円未満の人は総所得金額等の5%

どちらを選択するにしても、年始から領収書等を集めておかないと計算もできないので、計画的に準備しておく必要があります。

また、セルフメディケーション税制を選択する場合は、健康の保持増進や疾病予防等の取り組みをしたことが証明できる書類も必要になります。勤務先で実施する定期健康診断でも可能なので、診断結果の書類は確定申告まで大切に保管しておきましょう。

賢く活用するポイント

セルフメディケーション税制の対象となる医薬品は、納税者本人だけでなく、生計を一にする配偶者やその他の親族のために購入したものも対象になるので、生計を一にしている実家の親のために購入した医薬品も対象になります。

また、セルフメディケーション税制の控除を受けるには、健康の保持増進等の取り組みが必要ですが、これは納税者本人が行っていれば良く、配偶者等は取り組みをしていなくても構いません。ただ、配偶者等も健康診断は毎年欠かさず受けておいた方が良いです。

確定申告にセルフメディケーション税制を使うか、従来の医療費控除を使うかは毎年選びなおすことができます。つまり1年間医薬品や医療費の領収書やレシートを集めて、それぞれ所得控除できる額を確認してから、自分にとってお得な方を選んで良いのです。

セルフメディケーション税制で所得控除できる上限は88,000円となっています。仮に所得税も住民税も税率が10%だとしたら、上限ではともに8,800円納税額を減らすことができます。上限は医薬品を10万円以上購入しないと達しませんが、医薬品をたくさん購入した人や税率が高い人は、面倒くさがらずに申告してみると良いでしょう。