子会社の吸収で多額のデリバティブ損失を内包、(株)ホリシン(新潟)が民事再生(東京商工リサーチ)

 (株)ホリシン(TSR企業コード:200233092、法人番号:9110001016257、西蒲原郡弥彦村大戸737-7、設立平成8年7月、資本金1000万円、代表取締役:堀内哲雄氏)は12月12日、新潟地裁に民事再生法の適用を申請し同日、保全命令を受けた。申請代理人は今井慶貴弁護士ほか1名(弁護士法人新潟第一法律事務所、新潟市中央区新光町10-2、電話025-280-0865)。監督委員には堀田伸吾弁護士(新潟みなと法律事務所、新潟市中央区西堀前通一番町703、電話025-225-7220)が選任された。
 負債総額は約14億9000万円。

 圧力鍋やフライパン、ケトル等の家庭用調理用品をはじめ日用雑貨品を扱い、ホームセンターやギフト卸売業者を主な販売先として営業を展開。ピーク時の平成12年10月期には売上高18億6688万円を計上していた。中国からの仕入を得意としていたが、22年以降の歴史的な円高により、貿易子会社の(株)ウチホリ(TSR企業コード:200313584、新潟市)で多額のデリバティブ損失が発生。
 26年3月にウチホリを吸収合併し、デリバティブ関連の金融債務も継承したため、多額の金融債務を抱える事態となった。また、近年は販売不振により売上確保に苦しみ、28年10月期の売上高は5億1600万円にまで減少。その後も状況は好転せず、今回の措置となった。
 なお、12月18日午後1時30分より、アートホテル新潟駅前(新潟市)で債権者説明会を開催予定。

東京商工リサーチ

放射性セシウム測定装置の受注が減少、(株)テクノエックス(大阪)が破産(東京商工リサーチ)

特例で事業は継続

 (株)テクノエックス(TSR企業コード:576242977、法人番号:1120001140187、大阪市東淀川区東中島5-18-20、設立平成21年9月、資本金9500万円、谷口一雄社長、従業員23名)は11月30日、大阪地裁に破産を申請し同日、破産開始決定を受けた。破産管財人には坂下泰啓弁護士(弁護士法人レゾナンス、同市北区西天満4-6-3、電話06-6360-4730)が選任された。なお、12月4日付で裁判所より特例で事業継続の許可を受けた。当面は事業を継続しながら一般債権は支払いを行う。
 負債総額は約6億1300万円(平成29年3月期決算時点)。

 大阪電気通信大学で教授を務めた谷口社長が設立し、蛍光エックス線分析装置や放射性セシウム測定装置等の製造および保守サービスを展開。大手企業から受注を得るほか、放射性セシウム測定装置は福島第一原発事故で被害を受けた福島県および周辺自治体に販路を築いていた。
 平成27年3月期の売上高は約5億7100万円を計上。しかし、運転資金や継続的な研究開発投資による資金需要もあり、外部資金への依存度が高まっていた。さらに、近時は放射性セシウム測定装置の受注が減少し、29年3月期の売上高は3億54万円に低下。連続して赤字を計上し債務超過に転落し、ここにきて資金繰りも限界に達し、今回の措置となった。
 社長および破産管財人によると、「既にスポンサー候補があがっており、今後はスポンサーを交えて協議を行い、今後の方針を決定する」という。

東京商工リサーチ

ビットコイン高騰を受けて破産手続中の(株)MTGOXに対して債権者が民事再生法適用を申し立て(東京商工リサーチ)

 破産手続中の(株)MTGOX(TSR企業コード:298819350、法人番号:6011001070356、渋谷区渋谷2-11-5、設立平成23年8月、資本金500万円、カルプレス・マルク・マリ・ロベート社長)は平成29年11月24日、債権者から東京地裁へ民事再生法の適用を申し立てられ同日、調査命令を受けた。調査委員には伊藤尚弁護士(阿部・井窪・片山法律事務所、中央区八重洲2-8-7)が選任された。
 MTGOXは平成26年4月24日に東京地裁より破産開始決定を受け、破産手続き中だった。
 仮想通貨「ビットコイン」の取引所として機能するサイト「Mt.Gox(マウントゴックス)」をネット上で運営するベンチャー企業。海外ユーザー中心に会員数は60万人以上にのぼる世界有数の規模として知名度を有していたが26年2月、システムのバグを悪用した不正アクセスにより、ユーザーや会社保有のビットコインがほぼ全部なくなっていることが判明し、事業継続が困難となり26年2月28日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。しかし、民事再生案の立案や遂行が困難との判断で民事再生法申請が棄却され同年4月24日、東京地裁から破産開始決定を受けていた。
 代理人の福岡真之介弁護士(西村あさひ法律事務所、千代田区大手町1-1-2)によると、破産手続きを進めるなかで、最近ビットコイン価格が急上昇し、当社が保有するビットコインの価値も大幅に高まり、破産債権に対して100%配当が見通せる状況となっていた。100%配当となった場合、残余の財産については当社の株主に分配することになる可能性が高まり、ビットコインの多額の含み益が株主である(株)TIBANNE(TSR企業コード:298130840、法人番号:8011001069784、渋谷区、同社長、破産手続き中)や同社の100%株主であるカルプレス・マルク・マリ・ロベート社長に分配されることを防ぐため、債権者が民事再生法の適用を申し立てた。
 なお、破産手続きでは現金での配当しか認められていないが、民事再生手続きではビットコイン債権者に対してビットコインで配当することを再生計画に定めることも可能とされる。
 今後、調査委員による調査結果の踏まえ、東京地裁が判断していくこととなる。

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海外ブランド時計販売の(株)アイムが破産、社長との連絡が困難になり事業継続を断念(東京商工リサーチ)

 (株)アイム(TSR企業コード:294014268、法人番号:6013201007410、港区芝大門2-11-1、設立平成10年10月28日、資本金2660万円、上野善弘社長)は11月20日、東京地裁から破産開始決定を受けた。破産管財人には小畑英一弁護士(LM法律事務所、千代田区永田町2-11-1、電話03-6206-1310)が選任された。
 負債総額は債権者94名に対し約26億円。
 「ROLEX」「OMEGA」などの海外ブランドの時計販売を主業に、バッグ、アクセサリー、宝飾品などの輸入販売も手掛けるほか、直営店の運営のほかインターネット通販も行い、インバウンドの追い風もありピークとなる平成27年8月期には売上高約94億円をあげていた。しかし、同業者との競争は薄利多売の状況で資金繰りに余裕はなかった。また、インバウンド需要の一巡で28年8月期の売上高は約82億円に減少。29年11月上旬に上野社長との連絡が取り難い状況となったため、事業継続が困難となり今回の措置となった。
 なお、11月22日17時現在、当社は残務整理を行っており、会社で取引先への対応(電話03-5467-8907)も行っている。

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タカタ、清算までには「7~8年掛かる」(東京商工リサーチ)

 11月21日、エアバッグ大手のタカタ(株)(TSR企業コード:295877413、東京都)は中国資本傘下の自動車部品メーカーKey Safety Systems, Inc.(DUNS:180656753、アメリカ、以下KSS)と事業譲渡に関して最終合意に至ったと発表した。譲渡価格は1750億円(15億8800万ドル)。タカタは譲渡により得た資金で、民事再生手続きの再生債権などを弁済する方針だ。

◇譲渡対象の資産と事業
 タカタとKSSは事業譲渡に関して6月に基本合意していた。最終合意により、相安定化硝酸アンモニウムを使用したエアバッグインフレーターの製造・販売に関する一部資産と事業を除いて、全てKSSへ譲渡されることが決まった。タカタは今後、グループを再編した上で譲渡対象ではない事業を当面継続することになる。
 事業譲渡は、2018年3月初めまでに実施されるもよう。ただ、タカタ社内からは「自分が譲渡先へ行くのか、残るのか知らされていない」との声が漏れており、今後詳細の詰めが行われるものとみられる。

◇事業譲渡先は
 KSSの日本法人として、キー・セイフティ・システムズ・ジャパン(株)(TSR企業コード:294138021、神奈川県)が確認されるが、タカタの担当者は「どの会社が(事業の)受け皿になるかはこれから詰める」と話す。

◇再生債権の弁済率は
 タカタが東京地裁へ提出した再生債権認否書によると、届出債権は35兆8393億円に上り、このうち1兆792億円をタカタは再生債権として認めている。ただ、最終的には東京地裁により判断される。
 今回の最終合意で、事業譲渡の対価としてタカタは1750億円をキャッシュで得る。これを元手にアメリカ司法省と司法取引で合意した自動車メーカー向け補償基金への拠出や民事再生後の管理コストの支払い、一般債権の弁済などを行う。このため、一般債権の弁済率は数%にとどまる可能性があるが、タカタの担当者は「様々な利害関係者がいるため、現時点で弁済率に関するコメントはできない」と述べるに留めた。
 なお、タカタは11月27日までに東京地裁へ再生計画案を提出する予定。

◇タカタの今後
 タカタは、譲渡以外の事業を継続したのち、最終的に清算される。タカタの担当者は「交換用インフレーターの製造・販売を継続したのち清算となる。清算の詳細な時期は分からないが、7~8年は掛かると思う」とコメントした。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2017年11月24日号掲載予定「Weekly Topics」を再編集)

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赤字が続く大塚家具、現預金が激減(東京商工リサーチ)

 2015年12月期に約110億円あった現預金が、わずか1年9カ月で約20億円に――。
 今年7月、(株)大塚家具(TSR企業コード:291542085、江東区、大塚久美子社長)は、2017年12月期業績予想を売上高530億1,900万円から428億1,600万円に、当期純利益を3億6,700万円の黒字から63億2,000万円の赤字に、それぞれ下方修正した。
 業績不振から抜け出すきっかけを見出せないまま提携や統合の話が出ては消えていたが、11月6日に貸会議室運営の(株)ティーケーピー(TSR企業コード:296456853、新宿区、河野貴輝社長、東証マザーズ、以下TKP)との業務・資本提携を正式発表した。
 世の中は大塚家具が得意の「まとめ買い」から「単品買い」に変わり、価格競争やインターネットとの競合も厳しさを増している。大塚家具はTKPとの提携でこの難局を乗り越えられるか。大塚家具の現状を取材した。

◇大塚家具の現状と変革
 大塚家具のイメージは「高級」だ。2014年に表面化した大塚久美子社長と当時の会長で久美子社長の父親である大塚勝久氏との経営権を巡る、今時珍しい派手な「父娘喧嘩」
は新聞、テレビ、雑誌で連日大きく扱われ、ブランドイメージは著しく毀損した。
 経営権を掌握した久美子社長は父親が成長の礎とした会員制を廃止。さらに、「大感謝祭」などのセールで「禁断」の低価格路線にも踏み込んだ。だが、長引く消費低迷やインターネット通販など物流変化にも嵌り込み、思い描くような業績回復ができていない。
 2016年12月期(連結)の売上高は463億784万円と、前期比で116億9,687万円も減少した。当期純利益は45億6,710万円の赤字に転落し、現預金は前期の109億7,182万円から38億5,379万円まで減少した。
 その後もビジネスモデルの再構築やイメージ回復を目指すものの業績は改善しないまま。大型店舗の売上落ち込みが大きく、2017年12月期第3四半期は売上高312億3,545万円と減収、当期利益も58億4,713万円の赤字。現預金は20億3,556万円に減った。大塚家具の月商は約35億円。小売業の上場企業で現預金が月商を下回るのは異常だ。

◇無借金経営の裏側
 大塚家具は無借金経営で知られる。これだけ現預金が急減しても、無借金を維持している。それを可能にしているのが資金負担の重い店舗不動産のリースだ。
 一部はオペレーティング・リース取引で、解約不能のものに係る未経過リース料を2016年12月期は117億9,685万円計上している。これがオフバランス化されているため、貸借対照表は無借金になっているのだ。
 大塚家具の担当者によると、この未経過リース料の大半は大型店舗などの「賃料」という。ただ、解約不能の契約で、思い切った減床や統廃合が進まない要因にもなっている。
 今回の提携で、オペレーティング・リース取引の店舗不動産をTKPに貸し出すのか尋ねると、「まだ具体的に決定していない」(担当者)という。ただ、TKP側の業務提携リリースでは、「大塚家具が所有又は賃借する物件におけるTKPによるイベントスペース、貸会議室の運営」と言及している。いわゆる「また貸し」にも相当する可能性もあり、オーナーやリース会社との調整が必要とみられるが、将来的にはオペレーティング・リース取引の不動産をTKPに貸し出す可能性もみえてくる。
 2017年12月期の赤字見込みの一部は、19億4,800万円の事業構造改善引当金の計上がある。大塚家具では「引当金も基本的に賃料」(同)と話すが、詳細な資料公開は拒否する。
 巨額の未経過リース料が利益改善のカギになるだけに、TKPとの提携をどう生かすか注目される。

◇減少が続く現預金
 2017年第3四半期の現預金は20億3,556万円。商品在庫は同四半期で132億2,280万円を計上している。資産合計299億2,092万円の44.1%が商品で、現預金の6.4倍。かなり歪な財務バランスだ。
 荒っぽい財務分析だが、大塚家具の商品は仕入から販売まで半年近くを要する計算だ。
 一方で、手元資金にプラス材料もある。TKPとの提携で第三者割当を実施し自己株式の処分で10億3,135万円の現金を得られる。
 残る金脈は、投資有価証券だ。2017年12月期第3四半期で、投資有価証券売却の特別利益10億6,711万円を計上。同期の資産に投資有価証券は現預金を上回る26億8,345万円を計上している。
 大塚家具は2017年第3四半期で総額43億円のコミットメントライン契約(借入枠)を4社と締結していた。第3四半期提出時までにこの4社のコミットメントライン契約を解除し、別の金融機関1社と10億円枠を契約した。現時点でコミットメントラインは活用しておらず、10億円に枠が減少しても直接の影響はない。担当者は「金融機関から支援の意思を確認している」とコメントしている。
 とはいえ本業での手元資金の急激な減少に歯止めはかからず、資金繰り改善までの猶予期間は多く残されていない。

 TKPとの提携は、一定のアナウンス効果が期待される。ただ、消費者の購入チャンネルが多様化し、「高級」イメージ維持と来店客の増加は容易でない。現預金が今の水準を下回ると、商品仕入に影響も危惧される。
 業績と財務の改善には投資も必要だ。強力なライバルとしのぎを削りながら大塚家具は復活を果たすことができるのか。難しい経営の舵取りは最終盤を迎えている。

東京商工リサーチ

東芝、増資による債務超過回避でもメモリの売却進める方針(東京商工リサーチ)

 11月19日、(株)東芝(TSR企業コード:350323097、東証2部)は同日開催の取締役会で約6000億円の第三者割当増資を決議したと発表した。増資で得たキャッシュで、ウエスチングハウスグループ(WH)の親会社保証を全額履行し、平成30年3月期の連結決算で少なくとも2400億円の税効果を得たい方針だ。税効果による自己資本へのプラス効果と増資による押し上げで、半導体メモリ事業を売却しなくても同期の債務超過は回避出来る可能性がある。
 旧・村上ファンド出身者が設立したエフィッシモ・キャピタル・マネジメントなどに総額5999億9999万円を割り当てる。払込期限は12月8日で全額キャッシュでの払い込みを予定している。東芝の担当者は、割当先について「今後の(東芝グループの)経営方針や調達した資金の使途について理解頂いている先として選定した」と話す。
 東芝にキャッシュインするのは、払込金額から諸費用を除いた5738億円。これを3月にチャプター11(連邦破産法第11章)を申請したWHの親会社保証の履行に使う。これまで東芝は、親会社保証の金額は6600億円に上るとしていたが、「既に履行した分もあり5738億円(5178百万米ドル)を払えば全額履行されたことになる」(東芝の担当者)という。
 第三者割当増資により平成30年3月末の債務超過が解消出来る可能性があり、半導体メモリ事業を担う東芝メモリ(株)(TSR企業コード:023477687)の売却の必要性がなくなったとの見方がある。これについて東芝の担当者は、「(平成30年)3月末までの売却を目指す。メモリ事業は大規模な投資が継続的に必要なので、事業拡大には外部資源を入れないと成長力を保てない」とコメントした。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2017年11月21日号掲載予定「SPOT情報」を転載)

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