エドウイン破綻で「ジーンズ業界」消滅 – 日経ビジネス オンライン

5大ブランド中4つが経営破綻

2013年12月4日(水)

 国内最大手のジーンズメーカー、エドウインが11月26日に事業再生ADR(裁判以外の紛争解決)を申請した。エドウインは、昨年8月に投資に伴う200億円超に上る巨額の損失が発覚していた。

 事業再生ADRは私的整理に位置付けられる措置で、倒産ではない。現時点でもエドウインの営業活動は継続している。しかしながら、これで国内の大手ジーンズナショナルブランド(NB)、特に5大ブランドと言われた各社は、リーバイ・ストラウス・ジャパンを除いてすべて経営破綻したことになる。「ジーンズ業界」という枠組みは本当に過去の遺物になってしまった。

リーバイス以外はすべて破綻

 1990年代半ば頃までは、大手ナショナルブランドはジーンズ5大ブランドと呼ばれていた。エドウイン、リーバイス、ビッグジョン、ボブソン、ラングラーである。このうち、ラングラーを展開していたラングラージャパンは99年にVFジャパンとなったが、その翌年には解散。ラングラーブランドはエドウイン傘下のリー・ジャパンが取得した。昨年末に再出発したとはいえ、ボブソンは2012年6月に一度倒産している。

 今年4月に官民ファンドで経営再建を目指すことを発表したのがビッグジョン。そして7カ月後の11月にエドウインである。

 エドウインの場合、先のボブソンやビッグジョンとは少々事情が異なる。ボブソン、ビッグジョンとも直近はかなり売り上げを落としていた。ピーク時には200億円弱あったとされる売上高が直近は20億円内外にまで低下しており、企業規模を著しく縮小させていた。もちろん販路も激減しており、2~3年前でもライトオンやマックハウスといった全国チェーン店で、両社の商品を見る機会は少なくなっていた。両社ともレディースには定評があったから全国チェーン店でも百貨店でも売り場ではそれなりに見かけたが、メンズはほぼ壊滅だった。

 それに比べるとエドウインはメンズ、レディースともに全国チェーン店、百貨店、専門店で露出が高い。実際に売り場で尋ねても売れ筋上位にはメンズの「エドウイン」、レディースの「サムシング」が何型か常にランクインしている。また昨今好調なのはエドウインが所有する「リー」ブランドだ。リーはこの10年間で大きく売り上げを伸ばした。とくにレディースとキッズでの売れ行きが好調だ。

 ジーンズ業界以外ではあまり認知されていないが、エドウインは昔から多ブランド戦略を採ってきた。筆者が販売職に就いていた90年代半ば頃はメンズの「エドウイン」、レディースの「サムシング」、イタリアブランド「フィオルッチ」、ミリタリーブランド「αインダストリー」、フランスブランド「リベルト」、そして「リー」を抱えていた。今秋、エドウインがほぼ10年ぶりとなる全ブランド参加の大展示会を開催したが、そこでクローズアップされたのは「エドウイン」「リー」「サムシング」「αインダストリー」で添え物程度に「ラングラー」があった。商品は展開していないが、「フィオルッチ」は今も所有しているようだ。

エドウイン/事業再生ADR申請 – 流通ニュース

東京商工リサーチによると、国内ジーンズ最大手で「EDWIN」ブランドを有するエドウインと、グループ会社28社のうち金融債務のある16社の計17社は11月26日、事業再生実務者協会に対し事業再生ADR手続きの利用を申請した。

グループ会社のフィオルッチは外部株主が存在することから、12月初旬に追加する形で同手続きを申請する予定。今後、同協会の審査を経て正式手続きが進められる見込みとなった。

エドウインは、国内ジーンズメーカー最大手、エドウィングループの中核企業。1947年、繊維製品を販売する「常見米八商店」として創業し、1969年9月にエドウインを設立した。

いわゆる「アメカジブーム」を追い風としてジーンズメーカーとして業容を拡大し、1988年5月には製造部門をエドウィン商事として分離。国内グループ企業28社を擁し、生産拠点は東北を中心に12か所にのぼる。

グループで「EDWIN」ブランドを中心とするジーンズを製造、販売し、取り扱いブランドは「EDWIN」のほか「SOMETHING」、「C-SEVENTEEN」、「Gold Rush」など。「EDWIN」の「503」拡販に際してはハリウッドの人気俳優のブラッド・ピットを起用したことで話題を呼んだ。

オリジナルブランドに加え、米国3大ジーンズブランドの一角を占める「LEE」、「Wrangler」の日本における商権を獲得し、売上高は卸売部門のエドウインが2013年5月期で約261億円、企画・製造部門のエドウィン商事が2012年1月期で約300億円をあげていた。

しかし、ファストファッションの台頭に加え、東日本大震災の影響などから近年の業績は伸び悩んでいた。また、デリバティブ損失の発生なども噂されていた。こうしたなか2012年8月、グループの経理責任者が急死し、その原因が証券投資の失敗などによる200億円の損失隠しにあることが報じられた。

損失発生に関連して、不適切な会計処理が行われていた可能性があるとして第三者委員会が設置され、これに伴い、グループ全体の動向が注目されていた。その後、取引銀行による10数回にわたるバンクミーティングを開き経営再建策を模索していたが、取引銀行の間でも意向の足並みがそろわず、再建計画の策定がなかなか進んでいなかった。

一方、今年10月21日には都内で取引先約130社を集め説明会を開催。席上では、エドウインのフィナンシャルアドバイザーである野村総研から、業績や資金繰りに問題がないことが伝えられたが、具体的な再建策などについて詳しい説明がなく、関係先の間では困惑の声もあがっていた。

すでに返済の一時停止は行われているが、今回の事業再生ADR申請は第三者的な検証を目的としたもの。再建計画についても同様に検証する予定。今後、継続してスポンサー選定も行う計画だ。

アイフル、事業再生ADRが成立 – ロイター

 [東京 24日 ロイター] 私的整理の一種である事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)の手続きに入っているアイフル(8515.T)は24日に開いた第3回債権者集会で、すべての取引金融機関の承認を得て、ADRが成立した。2010年9月末まで各金融機関に融資残高の維持を求めた再生計画案が認められた。

 12月24日、アイフルの事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)が成立。写真は都内の同社店舗。7月撮影(2009年 ロイター)

 関係者によると、アイフルは、債権者のゴールドマン・サックス証券が要請していた保有ローン債権の買い取りにも応じた。これにより、65社すべての金融機関の同意を取り付けた。同社は9月にADRを申請。成立のためには、3回の債権者集会で全金融機関の賛同が必要だった。ADRの対象となる債権残高は約2800億円となる。

 (ロイターニュース デイビッド・ドラン 布施太郎)

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危機を迎えたウィルコム、事業再生ADR手続で立ち直ることができるのか? – 日経トレンディネット

 PHS事業を手がけるウィルコムは事業再生のため、“事業再生ADR手続”の申請をすると発表した。なぜ、ウィルコムは今回の措置を実施するに至ったのだろうか。また既存のPHS事業や正式サービス開始を発表した「WILLCOM CORE XGP」への影響はあるのだろうか。

ウィルコムが事業再生ADR手続を申請

 2009年9月24日、ウィルコムが事業再生ADR手続の申請をするという、衝撃的な発表を行った。発表によると、高速モバイルデータ通信の「WILLCOM CORE XGP」を展開していくに当たり、財務体質の抜本的な改善が不可欠という判断から今回の手続に至ったとのことである。

 事業再生ADRとは、当事者同士で話し合って紛争を解決する私的整理の一種。影響する範囲が当事者のみであることから、民事再生法などの法的整理と比べて取引先への影響が小さく、税制上の特例も受けることもできる。主に過剰債務に陥った大企業に向けたもので、2007年から導入されており、最近では消費者金融のアイフルがこの申請をしたことで話題となった。

 各種報道によると、取引金融機関に対し1000億円の債務元本残高の維持と返済期限の延長を要請しているとのことのようだ。ウィルコムの2009年3月期決算資料を見てみると、純利益で約60億円の黒字を確保しており黒字経営ではあるが、有利子負債総額を見ると、約1285億円と大きな負債を抱えている。これが経営の重荷となっており、さらに今後、新しい規格であるWILLCOM CORE XGPへの設備投資が必要になることなどから、早期に抜本的な再生が必要と、今回の判断に至ったようだ。

 携帯電話業界では、最近でもNECとカシオ・日立が携帯電話端末事業を統合するなど、国内市場の大きな変化によって端末メーカーの再編が進んでいる。だがキャリア側の危機が表面化するというのは、資金難でサービス開始前に破たんしたアイピー・モバイル以来であり、ショッキングな出来事であったことは確かだ。

日本アジア投資、事業再生ADRを申請 – 日経ビジネス オンライン

「第3の企業再建手法」は日本に根づくか

2009年5月13日(水)

スクープ

 経営不振に喘ぐベンチャーキャピタル大手の日本アジア投資が事業再生ADR(裁判外紛争解決)手続きを申請していることが明らかになった。同手法を利用して経営再建を模索する企業としては先頃、不動産業界準大手のコスモスイニシアが方針を発表したところ。司法制度改革の一環として2007年4月に導入されたADRが、企業再建の分野でも広がりを見せ始めている。

 関係筋によると、日本アジア投資が事業再生ADRの申請を認証紛争解決事業者である「事業再生実務家協会」(東京都新宿区、代表理事・松嶋英機弁護士)に対して行ったのは3月12日。取引金融機関約60社に対して債務弁済の条件変更を要請する方向で、これまでに何回かのバンクミーティングを開催しているもようだ(注:日本アジア投資へ事実関係を問い合わせたが、回答はなかった)。

 5月11日に発表した2009年3月期の決算短信においては、「借入金及び社債(私募債)の契約条件の変更等について現在取引金融機関と協議を進めている」とのリスク情報が記載された。一部の借入金については財務制限条項が付されているようだ。

営業収益は半減、有利子負債は16%増

 経済同友会の支援を受けて1981年に設立された日本アジア投資は、国内ベンチャーキャピタル業界の草分け的存在。96年に株式を公開、昨年6月には東証1部上場を果たしたばかりだった。

 ところが、サブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題に端を発する世界的な株安で業績が急速に悪化。大口投資先のりんかい日産建設が倒産するなどして、大幅な赤字経営に陥った。2009年3月期の最終赤字は348億円にも達した。

 この間、有利子負債も膨らんだ。今年3月末でその額は468億円。営業収益が214億円から94億円に1年で半減した一方、有利子負債は16%も増えた。しかも短期借入金の比重が高まり、財務内容は不安定さを増している。

 3月に公表した経営合理化策では、役員報酬の減額や希望退職者の募集、国内支店の集約など、主に販売管理費の削減策が打ち出されたが、財務リストラについては言及がなかった。実際には水面下で事業再生ADRを活用し、取引金融機関に対して踏み込んだ支援を要請している格好だ。

 ADRは裁判によることなく法的トラブルを解決する仕組みで、日本でも「裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律」が施行されたことで導入された。具体的には法務大臣の認証を受けた事業者が間に入って「仲裁」や「調停」などを行う。会社更生法や民事再生法といった裁判所監督下の「法的整理」と、民間だけで行う「私的整理」との中間的な存在と言える。

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